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作品名:マエノスベテ 作者:たくひあい

第9回 10
10
「フラワーアレンジもしているんですよ!」

ウシさんが誇らしく胸を張る。
「いろんなところに、種や苗をわけてもらったり、森や山に入って自然から分けてもらうこともあります。昔はよく山に登ったものですからね」

 分けてもらう、という部分を強調するので、彼はなんとも答えられず苦笑した。一応この辺りの森や山にも個人の所有があったりするためだったが、ウシさんが指差した方向は、ウシ家と違う領地だった。

「はは……綺麗な花や植物がたくさん咲いて居ますからね」

「自然の恵みをちょうだいすることで、私たちは生かされている。この素晴らしい毎日も、その賜物だということに私は常々感涙しています!」

「成る程。こうして飾られる花たちからも目が眩むばかりの自信と幸せな輝きがうかがえますな。ところでウシさんの家では茶会が開かれているとか」

彼がそう口にした瞬間、ウシさんの満ち足りる自信や、幸せな輝きが少し萎縮して、ムッと口の端が尖り、なにも言うまい!とばかりの不機嫌に変形したかのようだった。

「なんですか? ハーブティーの残りくらいしか出せませんが!
まだその話をするのなら、今日はそれでお引き取りください!」
形相が、挿し絵の牛鬼や般若のようになり、彼女は来た道を戻り階段をずんずんと進んで行こうと構えた。

「待ってください。
今朝叔母さんに会いましたがウシさんを心配していました。あなたが不機嫌になることを彼女が何かしたのですか」

2019/03/24 17:38


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