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作品名:マエノスベテ 作者:たくひあい

第36回 50
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     ◇◆

 彼が居なくなった後、どう止めたものかと悩んでいたがしかしそれは長く続かなかった。
結局客?の前だと今さらながら把握したらしいウシさんは改めて二階に戻って行ったのだ。
その後、彼女は言った。

「見苦しいところをお見せしました。本当はウシさんに、引き続き会を任せる考え、私は反対なの、あの調子でしょう?
最近ますます怒りっぽくて。
会ではないところ、ウシさんが買い物に行った日なんかに、参加された方に聞いたの。
でも立候補に反対がなかったわ。そもそも、周りがどうこういうことではありません」

「きみには常に逃げ場が無いのだね、よく保っていると思うよ」

僕が素直に述べると彼女はぺこりと一礼した。

「ありがとうございます、これでも大分、限界が近いのだけど、奇跡です。お茶会自体が、あれじゃあストレスだから。一人会もいいけど……」

「いいかげんにしなさい!」

 二階から怒鳴り声がした。
ウシさんが下の様子を見に来たらしく、どたばた降りてきたのだ。

「みんなから言われてるのに、そんなこと言って!
遅れてきたあなたが席を動かないから混乱が起きてみんな困っている」

「席? 席って、そもそも、なんですか? いつから私の部屋全部あなたがいつでも客を呼ぶ部屋になったんですか? ウシさんは、来ているだけでしょう。あの日も、いつも通りに部屋の掃除や片付けをしていたら、いきなりチャイムが鳴るわ、お茶の準備だわって!」

 もともと彼女の借りた家に、病院通いが近いからと臨時でこの部屋に来始めたウシさんがすむようになったらしい。

「ときどき9時間くらいフラワーアレンジの教室に部屋を占拠される! 部屋で行うはずの予定もその度にいつもずれ込んだの、我慢してきたんですよ」

ウシさんははきはき答えた。

「私は、展覧会が大事。だからみんなもを私を選ぶ!
最も年この家にいることを理由に臨時で長に就いて、
一方的に、独自の選出方法で、自分1人、勝手な立候補を表明?自らを選ばせる方針を宣言したって、笑っちゃう、あは、あははははは!
みんな「いいかげんにしなさい」と言ったわ。
いつもなら15〜20分の挨拶や支度だって、あの日はいつも通りに始まるのに9時間以上かかった。急がないと間に合わないといってたときに!
私が入院したりした空いた席に、長い間ここを守っている人を臨時的に置くのはいい。
でも、あの日は違う。あなたのせいでみんなと協議して「事故が起きた」ってなったから混乱を招いた」


 最終的には、彼女以外の全員の総意で2番目に年長者を置きましょうという話もしたらしい。彼女の意思は存在しないようなものだった。
ちらりと見た彼女は、もはや開いた口が塞がらないという感じで、どうにも出来ず固まっていた。



2019/05/15 03:40


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