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作品名:帝都、貫く、浄魔の拳 第捌部 作者:ジン 竜珠

第3回 捌の三
『仕方がないんだそうです。この短時間で手に入った情報は、生年月日と住所、家族構成、公的なプロフィールだけ。プライベートでは、どういう経歴だったか、などがわからないので、下手に偽造した記憶をネジ込むと、ふとした弾みで矛盾が生じて、……例えば、君と知り合った時には、日本にいなかった、などした場合、呪術の方が、強制的に解除されるんだそうです。もう少し時間……最低、十日ほどかければ、霊的にもっと深いところにアクセスして、もっと詳しいところまで探り、周辺の辻褄とあわせて、検証、構築することが出来たそうですが』
「そういうもの、ですか?」
『らしいです。白倉くんの「力の方向性」が、そういうものなんだそうです。白倉本家が動くのに、「ムラマサ、イコール、帝星建設関係者」の根拠は、まだまだ弱いですし、そもそも白倉本家は、魔災が起きないようにする呪術にかかりきりなので、根拠薄弱な用件に人員を回せるほど、余裕はない』
 なんか、いろいろと難しいんだなあ。
『もう一つ。君が遭遇したダーシーと名乗るディザイアですが、大石という字を当てるんですよね?』
「ええ。らしいです」
『僕が、元刑事だ、というのは、聞いたそうですが』
 そのことは、尾田さんから聞かされたんで、一日に、C−membersに話を聴きに行った帰りに、本部に寄って、その時に聞いたんだ。
『僕は強行犯係……殺人犯や強盗なんかを相手にする部署にいたんですが、同じ警察署内に、盗犯係という、窃盗犯なんかを専門に相手にする部署があります。昔、そこで、名前を聞いた覚えがあります。昨日も、それとなく聞いてみたんですが』
 ……。
 元刑事、ていうことで、警察署の事情とか、聞けるの?
『大石節雄(おおいし せつお)という窃盗の常習者がいます。上石津市在住ではありませんが、こちらでも、侵入窃盗事件を起こしたことがあるそうです。君から聞いていた容姿と、どこか似ています。もしその男だとすると』
 と、ここで、なぜか間が空いた。
『あまり素行のよくない……有り体にいって、昔、反社会組織にいた男と、今も繋がっている怖れがあります。もし、こちら側でその姿を見かけても、近づかない方が、懸命です。もしかすると、向こう側が君や神室くんのことを見たときに、気づく可能性がありますが、おそらくそうだったとしても、向こうが接触してくることは考えられません』
「え、と? なんでですか?」
 村嶋さんの時は、なんか、恨み言、言われたけどな?
『窃盗の前科がいくつか、ありますからね。うかつな行動を取って、警察に睨まれる、などということは避けたいでしょう。もし、例の反社の男と今も繋がりを持っていたとしたら、なおさら、目立つ行動は避けたいはず。彼も、その男に目立つ行動は避けるように、釘を刺されているはずですから』
 なんか、きな臭い話になってるなあ。
『それと、お願いなんですが』
 と、副頭は「あること」を僕に言った。


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