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作品名:アヤシの杜のアヤカシ同盟 BLOCK Y 作者:ジン 竜珠

第5回 5
 気がつくと、響国さん、小刻みに震えてる。そうか、一世一代の告白、怖いよね?
 あたしは、急に彼女のことがいとおしくなった。だから、あたしは、彼女を怖がらせないようにつとめて優しく言った。
「わかった。響国さん、これから、仲良くしましょ? あたしの方からもお願いするわ。素敵な時間を過ごしましょ?」
 その言葉に、響国さんの瞳に涙がにじむ。
 でも、それ、どうにも「うれし涙」に見えなかったのよねえ、あたしには。例えるなら、「うわあ、とんでもないことになっちゃった」の涙かしら?
 やっぱり気になるなあ。
「ねえ、響国さん。無理、してない?」
「え? なんで、そんな風にお思いですの?」
「だって、なんとなく『無理にあたしとおつきあいしよう』っていう風に見えるし」
 そう言うと、響国さんがあからさまに慌てて、それから言った。まるで、付け足すように。
「そ、そそそそ、そんなことはありませんわ! ええと、……。そ、そう! あなたと同じ時間が過ごしたいの! あなたと、少しでも一緒にいたいのです、私!」
 なぁんか、言い訳っぽい。
 疑惑のまなざしを向けてたからだろうか、響国さんが、何かを自分に決意させるかのように空を見上げて、そして、頷いてから言った。
「最近、わかったのですけど、気がつくと、私、あなたのことを考えてますの。学校でも、あなたのことを目で追っていたり。だから、それがなぜなのか、知りたくなって」
 これも、ウソっぽいけど。でも、彼女があたしのことを気にしてるのは、なんとなく感じる。日頃の「修行」の成果かな? 
 あたしも、それが何なのか、知りたくなった。
 で、とりあえず、どこかの喫茶店でお喋りしようってことになって、公園を出た。
「あ、女薙さん、ちょっと待っててくださる?」
 そう言って、響国さんは公園に引き返した。
 ちょっとだけ、見えたんだけど、なんか、入り口の「車両進入禁止」のポールの影から、何かを拾って、鞄の中に入れてたみたい。赤い色で記号みたいなものが書かれた、黄色い短冊に見えた。

 その夜、タマちゃんは「おかんむり」だった。
「バイト中だった朔羅は『いきなり抜けるのは無理』とか言うし、妖怪には逃げられるし、さんざんだったニャ!」
 だから、ゴメンってば。


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