小説&まんが投稿
 ようこそゲストさん トップページへ ご利用方法 Q&A 操作マニュアル パスワードを忘れた
 ■ 目次へ

作品名:アヤシの杜のアヤカシ同盟 BLOCK Y 作者:ジン 竜珠

第11回 11
 タマちゃんがこっちを見たんで、あたしはあるジェスチャーをする。わかってくれたんだろう、タマちゃんが頷いた。次にあたしは。
「朔羅!」
 プールの水面を挟んだ側にいる朔羅に声をかける。こっちを向いた朔羅に、あたしは、あるジェスチャーをしてから、弓を引く仕草をする。それを見て、朔羅も頷く。
 それを確認して、あたしは、プールの水に右手を突っ込んで、「力」を使う。十分「チャージ」できたのを感じて、あたしは手を水から抜き、叫んだ。
「タマちゃん、今!」
 同時に、あたしは、タマちゃんがいる側の「壁」を引き寄せた。その「壁」を器用に使ってタマちゃんが空間ジャンプをする。朔羅がそれに合わせて、あたしがやったジェスチャー……「何かを投げるふり」をした。
 コウモリ女が、朔羅が何か「力」のこもったものを、投げつけたと思ったんだろう、それをかわそうとして動く。でも、それに気を取られて、背後にタマちゃんが来ていたことに、気がついてない。
 タマちゃんが上空から落ちてきて、コウモリ女を蹴り飛ばす。びっくりしたんだろうけど、それでもコウモリ女は空中で身をひねり、体勢を整え、プールに脚から着水しようとした。多分、プールに落ちるのは仕方ないから、脚から着水して、すぐに飛翔しようとしたんだろう。
 でも。
『グアア!? なんだ、これは!?』
 着水した瞬間、プールの水が一気に凍り付いて、コウモリ女の下半身が、氷に閉じ込められた。動けないでいるコウモリ女に向かって朔羅が弓を引く。あ。光る弦を引いてるのが見える。光の矢も、確かに、「そこ」にある。朔羅、本当に矢を放ってたんだ。
 気合いとともに放たれた矢が、コウモリ女の額の中央を貫く。
 耳障りな絶叫を残して、コウモリ女が、青い火に包まれて、消滅した。
 今、あたしがやったのは、「過冷却」。水って、零度を下回っても、凍らないことがあるらしい。そんなギリギリのところを保って、衝撃を与えると、一気に凍る。ユキオンナの力を使ってプールの水をそんな状態にして、空中からコウモリ女をたたき落としたから、墜落の衝撃で水が凍って、コウモリ女が氷に閉じ込められたわけ。
 昨日、操さんが教えてくれた、裏技。ありがとう、操さん!

 その後、例の女の子(新将岳女子の三年生だった)は、環緒さんが「解呪」した。呪災の避雷針そのものではなかったけど、やっぱり悪い影響力が残るんだって。


← 前の回  次の回 → ■ 目次

■ 小説&まんが投稿屋 トップページ
アクセス: 175