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作品名:アヤシの杜のアヤカシ同盟 BLOCK U 作者:ジン 竜珠

第19回 参・十九
 移動した先に、蜚がいた。正直、ビックリしたけど、超人的な反射神経で、あたしは、蜚の邪視をかわした。蜚がこちらを見たとき、タマちゃんが爪を蜚に向ける。それをうざったそうにしてよけると、蜚がまた、あたしを睨む。
 なんとなくわかってきたけど。
 あたし、よけてるのと違うような気がする。感覚的なものだけど、あの邪視の力、圧力みたいなものを出していて、その圧力が周囲の空気とかを押しのけていて、押しのけられた空気に翻弄されるようにして、あたしは邪視をかわしてる。ちょうど、布きれが風に煽られて、あっちこっちに飛んでいくように。
 つまり、邪視に当てられることはないってこと。でも、倒すこともできない。なんか、悔しい。
 本気でそう思ったとき、また、声がした。
『我(われ)が力を貸す。存分に使え』
 あたしは、また自動的にブレスレットから、赤いビー玉を出した。そして、それをチョーカーの鈴に押し込む。
「アハリヤ、アソビハストモウサヌ、アサクラニ、ココニオリマセ、カマイタチノタマ!」
 鈴を弾くと、骨が熱くなった。
 こっちに向かって突進して来た蜚に対し、あたしは手刀を構え、気合いとともに、振り下ろす。目には見えないけど、なんかが宙を切って、蜚の角に命中した。
 聞いたこともない醜い声で、蜚が叫んだ。

 邪視は、ペンダントがキャンセルしてくれる。となれば、いかにして、跂踵を倒すか。何せ、相手は空中を自在に移動する。おそらく光奈が作った「塞」の影響で、一定の範囲から出ることはできないだろうが、地上にいる人間の身としては、どうにも対処しかねる。
 いや、対処する業(わざ)もあるが、この状態では、それを使うのは難しい。
 先の一撃をかわして舞い上がった跂踵が、空中を旋回して再び、向かってくる。
 残念ながら、朔羅はまだ「真空斬り」や「遠当て」といった技を会得できていない。あくまでも、刃を食い込ませる必要があるのだ。だが、剣を当てることができれば、神威を送り込むことができる。
 跂踵が迫る瞬間、ギリギリまで引きつけ、身をひねって剣を振り下ろす。だが、残念ながら、翼を斬ることはできなかった。


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