小説&まんが投稿
 ようこそゲストさん トップページへ ご利用方法 Q&A 操作マニュアル パスワードを忘れた
 ■ 目次へ

作品名:アヤシの杜のアヤカシ同盟 BLOCK U 作者:ジン 竜珠

第18回 参・十八
 蜚の邪視は、ある程度なら、霊剣で弾くことができる。だが、攻撃に踏み込むのが難しい。この間は、猫股が二匹いたから、その応戦で気を取られていたところを攻撃し、ダメージを与えることができたが。
 朔羅は、バックステップ、サイドステップを繰り返し、蜚の隙を突こうとするが、なかなかうまくいかない。時に突進してくる蜚をかわしながら、斬り込むが、かわされてしまう。思ったより、蜚の身のこなしはいいようだ。
 斬り込んだ瞬間、かわされ、背後に気配が移動する。直感的な動きで身をかがめ、横っ飛びに飛ぶ。先刻まで自分がいた位置に蜚が突進するのが見えた。同時に、鳥の妖怪……糺の話では、「跂踵」という妖怪らしい……の邪視にやられた糺を介抱する光奈も、数メートル先に見えた。あの様子では光奈の援護は望めない。
 膝のバネをきかせて、かがみこんだ状態から跳躍し、上空から蜚に刃をを落とす。だが、背をかすめたところで、蜚がかわした。走って逃げるかに見えた蜚だが、方向転換し、着地した朔羅に突進してくる。その途中で邪視の力を放ってくる。
 霊剣でそれを弾くが、その分、モーションに無駄が生まれ、斬りつけるのが遅れた。蜚の体当たりを喰らうことはなかったが、かわした際、体勢が乱れた。
 その勢いをあえて利用してバックでトンボを切り、着地したが、計算したものではなかったため、着地と同時に剣を構えることができず、一瞬、蜚の姿を見失ってしまった。
 背後からの蜚の突進をかわせたのは、「見えない位置……背後から襲ってくるに違いない」という勘と、運だけだっただろう。
 かわしたとき、ちょうど、女薙綺が近くにきたのが見えた。何らかのアヤカシの力を降ろしているらしく、その移動スピードは、明らかに人間のものではない。
「満向さん、これ!」
 綺が、近くに来ると同時に、さらにサイドステップを踏んで、こちら側に飛んでくる。蜚の攻撃をかわして横に飛んだ朔羅と、ちょうど交差したとき。綺が何かを投げて寄越した。
 鏡をヘッドにしたペンダントだ。その鏡がなんであるかはわからないが、有用なアイテムだろう。受け取ると、素早くそれを首にかけ、着地すると同時に、気配のした方に振り返る。
 跂踵が向かってきていた。邪視の力が飛んできたが、金属音とともに、その力が、朔羅の目の前で、砕け散った。
『辟瘧鏡カ!』
 悔しげな声を上げる跂踵に、剣を振り下ろす。


← 前の回  次の回 → ■ 目次

■ 小説&まんが投稿屋 トップページ
アクセス: 437