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作品名:アヤシの杜のアヤカシ同盟 BLOCK U 作者:ジン 竜珠

第17回 17
 どうやら、タマちゃんの読みは当たっていたらしい。
 あの男の人が何者かわからないけど、連れているのは、間違いなく妖怪だ。多分、蜚と同じ、人間を病気にするヤツ。
 向かってきた、人ぐらいあるデッカい鳥に、タマちゃんがジャンプして爪で襲いかかる。でも、それをかわして、鳥はあたしに向かってきた。
 あたしがかわそうとしたとき、前に満向さんが現れて、二振りの剣を振るう。その刃をよけて、鳥が上空へと飛んだ。その時、光奈さんの声がした。
「悪い。もう一匹現れた。一緒に退治てくれるか?」
 あたしが声のした方を見ると、そこにあの時の牛の化け物……蜚がいた。
 蜚に気づいた満向さんが剣を構える。蜚の声がした。
『小娘、コノ間ノ借リヲ、返スゾ!』
「笑止千万」
 一言言って、満向さんが、蜚に向かって行った。
 鳥の化け物はタマちゃんが相手してるけど、鳥だしね。空飛んでるから、どうにも。あたしに何かできるのかな? ちょっと怖いけど、みんなの助けになれたら。あとでタマちゃんに聞いたけど、この間は、あたしが倒れた瞬間に蜚にやられそうになったところを、満向さんが助けてくれたそうだし。
 でも。
 ダメ、膝が笑い始めた。どうしよう。やっぱり怖い!
 そう思った時。
『娘。我が力を貸す』
 声がした。安心感が胸に広がる。
「あなたは?」
『我は一反木綿。汝の足となろう』
 あたしは、無意識にブレスレットから玉を取りだした。色は透き通った緑色だ。
 その玉を、ブレスレットの方の鈴に押し入れる。そして、左手の拳を顔の前に持ってきて、頭に浮かんだ呪文を唱えた。
「アハリヤ、アソビハストモウサヌ、アサクラニ、ココニオリマセ、イッタンモメン!」
 そして、鈴を指で弾く。頭の中が涼しくなるような、冴え渡るような、そんな感覚が起きた。
 あたしは、足に意識を集中した。そして、ジャンプする。普通なら、……いや、人間ならまず不可能だと思う。あたしは、ジャンプ台も何もなく、軽く七、八メートルぐらい飛び上がった。そして、そのまま、鳥に体当たりする。
 鳥はビックリしたみたいで、体勢を崩した。
 でも、あたしが攻撃目標だってわかるみたいで、あたしを睨む。
 でも、着地すると同時に、あたしは、ほぼ無意識にステップを踏んで、横に飛び、邪視をかわした。鳥がまた睨んだけど、その都度、あたしは的確に動いて、かわす。
 ということは。
「このペンダント、いらないわね」
 なぜかそう実感したあたしは、預かっていたペンダントを外した。


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