小説&まんが投稿
 ようこそゲストさん トップページへ ご利用方法 Q&A 操作マニュアル パスワードを忘れた
 ■ 目次へ

作品名:アヤシの杜のアヤカシ同盟 BLOCK T 作者:ジン 竜珠

第4回 序・四
 次の瞬間!
 澄んだ音、そして響きが全身を包んだ。
 なんか、骨が熱くなったような感じがした。
 変なたとえなんだけど、全身の骨格に熱が流れ込んだような、そんな感じだ。
 気がつくと、あたしは、口許に笑みを浮かべてた。
 勝てる。
 あたしなら、この牛の化け物……ゴウエツに勝てる!
 牛の怪物が、あたしを見て、怯えたかのように後じさる。その弾みに、丹安武さんが勢い余ったのかどうかわからないけど、尻餅をついた。
「……フッ」
 思わず、息がもれた。
 それは、丹安武さんが上げた声がおかしかったからか、それとも、ゴウエツがビビって後ずさりした様がおかしかったからなのか。それは今でもわからない。
 あたしは、右掌(みぎてのひら)を拳に握り、目の前に持ってきた。
 そして、意識を集中する。
「何か」が、右手に集まるのがわかる。
 ゴウエツが、何思ったか、あたしに向かって歩き始めた。
 なるほど。
「無駄なあがきだっていうのを、教えてアゲル」
 あたしがそう言うと、ゴウエツが走り出した。あたしも右足を床に踏みつけるようにして、踏み出した。まるで、カタパルトでも仕掛けてあったかのように、空中で加速したあたしは、向かってきていたゴウエツの頭部に右の拳を撃ち込んだ!
 金属の玉を、金属の板にぶつけたような甲高い音が響いたかと思うと、ゴウエツが吹っ飛びながら、砂でできた像が吹き崩されるように消えていった。
 そして、乾いた音を立てて、千円札ほどの大きさの、多分、音から判断して、金属製の黄色い板が、落ちた。
 その板を拾って、丹安武さんが、あたしを見た。
 笑顔を浮かべ、あたしに近づきながら、満足げに言った。
「『和(にぎ)の姫』、見つけたニャ」


← 前の回  次の回 → ■ 目次

■ 小説&まんが投稿屋 トップページ
アクセス: 715