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作品名:アヤシの杜のアヤカシ同盟 BLOCK T 作者:ジン 竜珠

第23回 弐・七
 朝四時半、あたしはたたき起こされて、「禊場(みそぎば)」というところにいた。
 この家は、メチャクチャ大きくて、詳しくは知らないけど、武家屋敷とか、そんな感じのものらしい。禊場は離れの一つにあって、なんていうか、この離れって、なんだか小さくて、二十畳ぐらいなんだけど、そこにあたしとタマちゃんがいた。
 もちろん、抵抗したわよ? でも、タマちゃんって、やっぱり妖怪らしくて、軽々と抱えられて、禊場まで連れて行かれた。
 で、そこであたし、浴衣みたいな白い和服……白衣(びゃくえ)っていうそうだけど……に着替えて、湯船、っていうか水船? から、桶で水を汲んで、肩からかける、ってことをやらされてる。
 まだ、四月だーッ!? お湯が混ぜてあって、ある程度ぬるくなってるけど、冗談じゃないわよ!!
「なんで、こんなことしないとならないのよ!!」
「昨夜(ゆうべ)も言ったニャ! 綺たんには、修行してもらって、御魂玉を使いこなせるようになってもらうニャ!」
「ふ、ふふふふ、ふざけるるなななな!」
 歯の根が合わない。
 そんなあたしを無視して、タマちゃんは言った。
「とにかく! これは、綺たんのためでもあるのニャ。わかって欲しいニャ」
「あたししし、の、たたたたため?」
 タマちゃんが頷いて、言った。
「綺たん、多分、悪い妖怪にロックオンされちったニャ。だから、御魂玉が使いこなせないと、綺たん自身の命がヤバいニャ」
「ななななな、なににに? なんで、あたしががが、悪い妖怪にににに?」
 それに応えず、タマちゃんはラミネートパウチされた、A三ぐらいのシートをあたしの前に持ってくる。禊場の照明って、裸電球一つなんだけど、それでも、何が書いてあるかはわかる。
「さあ、身滌大祓(みそぎのおおはらい)を奏上(そうじょう)するニャ」
「えええっととととと」
 あたしは、読み上げ始めた。
「たたたたたかまのののはははは」
「シャンと読むニャ!」
 タマ公があたしに、水をかける。寒いっつーの!
「たかまのはらに、かみづまります、カムロギカムロミのみこともちて、すめみおやかむいざなぎの大神(おおかみ)、筑紫のヒムカの橘(たちばな)の……」
「ニャ!」
 いきなり、水をかけてきやがった。
「何すんのよ!?」
「『たちばな』じゃなくて、『たちはな』ニャ!」
「どっちだって、いーじゃんよー!?」
「言霊(ことだま)をバカにするなー!」
 また水をかけてきた。
「だったら、全部、平仮名で書いとけー!!」


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