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作品名:アヤシの杜のアヤカシ同盟 BLOCK T 作者:ジン 竜珠

第19回 弐・三
「簡単に言うと、僕たち、アヤカシは、霊力のある人間に『固有名詞』をつけられるか、名前の一文字を変えられると、その人間、および縁者の支配下に入らなければならないんですわ」
「全然、簡単じゃないけど?」
 のっぺらぼんの笑顔が、フリーズした。
 二秒ぐらいして。
「どこから、話(はな)しましょうかねぇ?」
 ひきつった笑顔であたしを見る。
 しかし、咳払いして、言った。
「……すみません。質問を変えます。……君、女薙家の人だよねぇ?」
「うん。次女」
「霊学(れいがく)とか、霊術(れいじゅつ)とか、教わってますよねぇ?」
「レイガク? 何、それ?」
 のっぺらぼんが糺さんを見る。糺さんは、困ったような笑みを浮かべて、肩をすくめて見せてる。
 何が何だか。
 説明役は、緋芽さんがやることになったらしい。
「何かに『名前をつける』っていう行為は、言い換えたら、その何かを自分の『支配下に置く』、ということなの。これは、人間にも言えることだけど、実は、アヤカシに対しては、場合によっては絶対的効力を持つことがある。だから」
 と、のっぺらぼん、環緒さんを見た。
 環緒さんが頷いてあたしを見て、穏やかな……ごめん、ハッキリ言う。影のある笑顔で言った。
「ワタシや佗磨姫も、そう。天音のご先祖様に『名付け』られて、顕界(けんかい)……人間の世界である、こちら側にとどまっている」
「ちなみに、佗磨姫に名前を付けたのは、あたしの父だけどね」
 なんていうか。
 そんなものなんだ、ってことで、とりあえず頭の端っこに置いておくしかない。
 ていうかさあ。あたしの家って、一体何だったの?
「あの。緋芽さん。うち……女薙家って一体、何だったんですか?」
 クエスチョンマーク一杯のあたしの言葉に、緋芽さんが、糺さんを見る。糺さんはちょっとだけ考える素振りを見せてから、あたしに言った。
「それについて話すには、今は、時間も、君の『準備』も『覚悟』も、全然足りません。なので、そのうち」
 笑顔でそんなことを口にすると、
「さあ! じゃあ、昨夜の一件について」
 と、ミーティングを始めた。


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