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作品名:アヤシの杜のアヤカシ同盟 BLOCK T 作者:ジン 竜珠

第18回 弐・二
 緋芽さんは、糺さんのお姉さんで、髪が短くて、たいてい、お着物を着てる。
 年齢は聞いてないけど、夏弥姉と同じぐらいに見えるから、二十七、八歳、ってところかな? 背が高くて、すらっとしてて。美人さんで。
 うらやましい。
 でも。
 フフン。パッと見た感じだけど、胸はあたしの方が大きいもんね!
 午後八時。居間(これがまた広くて、二十畳ぐらいある。全然、落ち着けない……)に、緋芽さん、糺さん、環緒さん、あたしがいる。
 緋芽さんは、青い木綿の、無地のお着物だ。いいなあ、お着物が似合うのって。
 座の議長は糺さんだ。
「さあ、とりあえず、太歳の一件について、わかったところまで、お話、しましょうか」
 その言葉に、あたしたちが頷いたとき、襖が開いて、緋芽さんが入ってきた。
 ……え?
 緋芽さん、ここにいるけど?
 入ってきた緋芽さんは、桜色に、業平柄のお着物だ。
 入ってきた方の緋芽さんが言った。
「のっぺらぼん、あたしに化けるなっつったよね!?」
 あ、笑顔だけど、こめかみに青筋、浮かんでる。
 正座してた緋芽さんが苦笑いを浮かべると、一言。
「すんませんっした、姉(ねえ)やん」
 糺さんも、「やっぱり、そうでしたか」と、苦笑いを浮かべてる。よくわからないでいると。
 淡い光に包まれ、輪郭が粒子状になって、崩れる緋芽さん。
 ……ザ・怪奇現象!
 ネットに上げたら、炎上、間違いナシね、「この程度のCG、今時、アップするな」とかって。
 崩れた光が、一人の青年を形作った。青いシャツに赤いネクタイ、白い上下のスーツ。で、モノクルっていうんだっけ? 片方だけの眼鏡をかけて、髪をきちんとセットした、どっか、大正ロマンの風情を感じる、二十代半ばの男の人。好みじゃないけど、それなりに美形だとは思う。
「初めまして、女薙さん。僕は、のっぺらぼうの『のっぺらぼん』と申しまっす!」
「……うん。ふざけてるよね? とりあえず、一発殴っていいかな? なに、『のっぺらぼう』の、『のっぺらぼん』って?」
 あたしの言葉に、笑顔を凍らせて、若い男は言った。
「糺くぅん、なかなかユニークな女のコが入ったじゃないですかぁ」
「そうですか? でも、『おさわり』はナシでお願いしますね」
「綺ちゃん、あたしが代わりに殴っといてあげるわ、こいつら。なんだ、『おさわり』って!?」
 こめかみに青筋を浮かべたままの緋芽さんに、二人の男どもが、バツの悪そうな笑顔を返した。


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