小説&まんが投稿
 ようこそゲストさん トップページへ ご利用方法 Q&A 操作マニュアル パスワードを忘れた
 ■ 目次へ

作品名:アヤシの杜のアヤカシ同盟 BLOCK T 作者:ジン 竜珠

第12回 12
 地鳴とかいう、占い師の話では、もらった御札(おふだ)を例のモノの上に放り、教わった呪文を唱えながら、粗塩を十キロ、清酒を十升、かけると消えるという。
 時刻はもう、午後十時三十分。占い師からは「午後十一時になってから始めるように」と言われたが、眩暈感に加え、頭痛もひどくなっている。
 待っていられるか。
 そう思い、時刻には早かったが、考三郎は、「儀式」を始めた。
「謹請(きんじょう)、東方主咒神、南方主咒神、西方主咒神、北方主咒神、中央主咒神、謹請、四季主咒神。謹請、乾天元亨利貞(けんてんげんこうりてい)……」
 渡されたテキストに書かれた呪文を読む。
 やがて。
「……む?」
 穴の中にあるモノが、拍動するように蠢き始めた。そして、閉じていた、表面にある眼が、掘り出したときのように、一つ一つ、開き始めた。
 消える前兆だろうか?
 いや、とてもそうは見えない。
 消えるというよりも、活性化していくように、盛り上がっていくのがわかる。
 不安な気持ちで見ていると、突然、すべての眼が開いた。
 その眼が、一斉に考三郎を見る。
 そして、眼が光を放ったとき。
 考三郎は自分でも判別不可能な言葉で絶叫し、意識が切れた。

 午後九時、あたしは、天音家にいた。糺さんによると、
「いつ、不測の事態が起きるかわかりませんし、あなたにも修行をしてもらう必要があります。お父様や下宿先の麻生(あそう)夏弥(かや)さんには、こちらからお話をしておきます」
 とのこと。
 なので、大きな荷物は後日、運ぶ事にして、あたしは簡単な荷物だけまとめて、早速、今夜から、ここで暮らすことになった。
 で、例のチョーカーだけど、これは、あたしじゃ外せないらしい。原理はさっぱりわからないけど、なんかの「呪文」を唱えないと、外せないんだって。で、その呪文は教えてもらえなかった。
 糺さん曰く、
「万が一に備えて、あなたには、そのチョーカーを常時、着けておいてもらわないと」
 とのこと。
 で、クリアカラーのビー玉も預けられた。全部で三色、一つずつ。赤いのと、緑と、黄色いの。
 これは、普段、ブレスレットに収納するってことで、このブレスレットも……、以下略。
 さらに、ブレスレットがもう一つ。これは、チョーカーと同じクリスタルの鈴が付いてる。
 糺さん曰く、
「理論上、御魂玉(こんぎょく)は同時に四つまで発動可能ですが、まずは、二つを使えるようにしてください」
 とのこと。
 なので、今、あたしの首に鈴つきのチョーカー、左手の手首に鈴つきのブレスレットに、玉を収納したブレスレット。
 これって、完全に首輪と手錠よね。
 あたし、何したのかしら?
 ちなみに、チョーカーとブレスレットの下の肌とか、洗えないのがイヤ、って言ったら、「佗磨姫さんをお風呂に一緒に入らせますから、彼女に外させます」ってことだった。なんでも、タマちゃんなら、呪文を唱えなくてもチョーカーとか、外せるらしい。
「本当に、どんなことに巻き込まれちゃったのかしら……」
 ゆうべ、パパに電話したら、「長い話になるから、詳しくは緋芽(ひめ)さんとか糺さんに聞け」ってことだったし。糺さんや、糺さんのお姉さんだっていう緋芽さんも、「一気に情報を流し込まれても、混乱するだけですから、これから徐々に教えます」だったし。
 なので、今のあたしが聞いてる事を箇条書きにして思い浮かべてみる。

・あの牛の化け物は「ゴウエツ(字は「(けものへん)」に敖、「(けものへん)」に因っていう字を書くそうだ)」っていう、大陸から来た人食い妖怪で、おそらく近所の人を食べる目的で現れたのではないか、ってこと。
・タマちゃんは、それに気づき、結界を張って、校舎内に閉じ込めたこと。

 で。

・タマちゃんが持ってて、今あたしが持ってる鈴と玉には、妖怪の力を降ろして、それを身につけた人間に、使えるようにする、「降神(こうしん)」とかいう力があること。
・あたしに、その力を使う才能があること。


← 前の回  次の回 → ■ 目次

■ 小説&まんが投稿屋 トップページ
アクセス: 349