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作品名:アヤシの杜のアヤカシ同盟 BLOCK T 作者:ジン 竜珠

第10回 10
 あたしが通う女子校の制服は、濃いベージュのブレザーにクリームイエローのブラウス。ブレザーの襟は、赤色。グリーンのリボンタイの中央にはメダルっぽい金属があって、そこに学年が浮き彫りになってる。二年生のあたしは、「U」って入ってる。ついでに、メダルの色は一年生が赤銅色、二年生がシルバー、三年生がゴールド。スカートは紺地に赤色のラインが入ったタータンチェックのプリーツスカート。ソックスは、白か紺か黒。襟にクラス記章をつけることになってて、あたしはB組だから、「B」を飾り文字にした記章をブラウスの襟につけてる。
 これが標準。これに、桜色のベストとかカーディガンとか着る人もいるけど、まあ、取り立てて珍しいところはない。
 でも、あたしにはもうワンポイント。
 そう、例の、クリスタルの鈴が付いた黒いチョーカーも装着してる。
 このチョーカーは、常に身につけるように言われて、で、実際、あたしには、なぜか外すことができないんだけど。で、誰かに見とがめられるんじゃないかって、ヒヤヒヤしてたんだけど。
 昨夜も今朝も、夏弥姉、何にも言わなかったし、通学に使ってるバスの中でも、誰の視線も感じなかったし、今も、誰も何も言わない。
 やっぱり、誰にも見えてないっていうか、見えてても気にならないっていうのは、本当らしい。
 正門の前まで来た時、背後から誰かが近づいてきた。
 タマちゃんだった。
「今日、放課後、時間、いい?」
 クールな表情と声で、そう言ったタマちゃんに、あたしは答えた。
「ごめん、今日の放課後は、部活……調理部A班の活動があるから」
「……そう。じゃあ、終わってから、うちに来て」
 そして、冷たいとさえ見える、氷のような目であたしを見た。
「来なかったら。……わかってるわよね?」
 無表情にそう言って、先に校舎に向かった。
 なんていうか。
 今のだけ見てると、とても「あっし」とか「ニャ」とか言いそうにないなあ。あの娘、外じゃ化けまくってたのか。
 そういえば、昨日、「外ではキャラを作るのがたいへんだから、部活とかまでは、やってられない」って言ってたっけ。「病弱キャラにしておけば、キャラ作るのに耐えられないときは、早退できるし」とも言ってたなあ、大股広げて、足投げ出して、座って。
 その背を見送ると。
「おいおい、いつの間に『クールビューティー佗磨姫さま』と親しくなったんだ、コラ? あいかわらず、クセが悪いなあ、女薙は」
 誰かが、あたしの首をヘッドロックした。
「つゆりん。そういうんじゃないって!」
 ヘッドロックの主は、あたしと同じ二年B組の堀口(ほりぐち)栗花落(つゆり)だ。バスケ部で長身でショートヘアで、サバサバしてて、いわゆる「漢(おとこ)」ってコだ。
 あたしがつゆりんのことを「漢」ていうと、なぜかつゆりんはあたしのことを「おっさん」っていう。見た目は「ロングヘアのいかにもな美少女なのに、話をすると、おっさん以外の何ものでもない」からだそうだ。
 失礼なヤツね、こいつ。あたしのどこが「おっさん」だゴルァ?
「何言ってンだ、これまで、玉砕した女の視線が突き刺さってるの、わかんないか?」
 と、ニヤニヤ。
 う。確かに、何人かの女子がこっちを睨んでる。
 あたしは、つゆりんのヘッドロックから逃れると、気付かない振りを装って、教室へと急いだ。


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