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作品名:パピヨンは、ご機嫌ななめ 作者:ジン 竜珠

最終回 あとがき・5
 オマケ。
 本作において、「トレゾーは盗んでも自分のものにして、返さなくてもいい」みたいな表現を使いました。厳密には「トレゾーは魂の欠損を補い、埋めるもの。それ故、盗むと魂の『欠け』にピッタリとはまり込んでしまい、返そうにも返せない」です。「『これを所有しているのは、世界でただ一人、自分だけ」という自覚のあるもの」がトレゾーの定義の一つ。そのため、トレゾーを盗まれた人間は、アカシックレコードからの情報が流れ込んで、無意識に「自分以外にも、『これ』を持つ者がいる」という思いに支配されるようになり、むなしくなったり、自暴自棄になる者も現れます。
 パピヨンは、それを(それと知らず)実感したので、元の世界に帰ってからは、「トレゾーではなく、エッサンスを盗んで習得する」という方向へとシフトした形になっています。
 少なくとも、私の中では。

オマケ2

 私の頭の中で「そういうつもり」あるいは「そういう前提」だったので、はっきりと描写するのを忘れていました。「18」のところで和磨と由梨は普通にパピヨンと接しています。パピヨンの服は、ボロボロの血染めになっているので、普通なら、二人はギョッとなるはずなのですが。
 これは、本来の「トレゾー」が「鞠尾和磨が奪ったと自覚のある、彼が愛した女のヴァージン」だから。その「トレゾー」の出現が先延ばしになったことにより、再び、オンブル(フランス語で「影」。要するに、カムフラージュです)の影響が強くなったため。さらに和磨の場合、パピヨンの精神支配から逃れたことも、影響しています。なお、コルボーの意識としては、「このまま、こっちにとどまり、『トレゾー』が現れるのを待とう」でしたが、体技ではルーにかなわないし、ぶっちゃけ怖いので、諦めたこと、あるいは、アカシックレコードを検索して、他の世界を探ろう、てことになっています。
 実行するかどうかは別にして。

オマケ3

 これは本当に蛇足。お読みくださる方に想像で補完していただいたら、それでいいんですが、シャットのその後について、念のため。次の日の早朝、怪文書つきで、シャットは館端署の近くに置き去りにされています。警察官によって「青い影」と「赤い影」が置いて行くところを目撃されていますが、結局、その「影」を追跡することがはできず。ご想像の通り、ルーとコルボーは空間を盗んで、逃走しています。「うさんくさい」とされながらも、念のため(実は、精神崩壊でオンブルが使用不可能になって、素顔がさらされているシャットの容姿と、聞き込みでわかっていた「白井美音子」の容姿が似ていたので)、怪文書にあった山小屋(例のバンガローです)で、高田教諭のIDカードと、新しい指紋をいくつか採取。その際、ベッドのシーツとマットは新しいものになっていますが、ベッドの枠に血痕を発見。その血液と、高田教諭のものとが一致。さらに、「白根香澄恵」の部屋から採取した新しい指紋のいくつかと山小屋で採取した新しい指紋のいくつか、そして、シャットの指紋が一致したことから、捜査本部は「この女が白井美音子だ」と結論します(ただし、実在する「白井美音子」の誰とも一致しませんので、偽名を使っている「身元不明」者扱いされます)。
 怪文書は、パピヨンとコルボーとルーが、半ば面白がって、いろんな人間の筆跡を盗んで書き継いだものなので、専門家の筆跡鑑定でも「筆圧から判断して、おそらく二人程度の人間が、複数人の筆跡を真似ながら書いた物」としかわかりません。
 シャットの容貌についても、「整形したにしては、手術の痕跡も見られず、さらに、大がかりな整形(基本的にシャットと香澄恵の容貌は異なります)と思われるが、短時日で、ここまで綺麗に炎症等が消えるとは思えない(沼田や森は、実際に香澄恵のふりをしていたシャットに会っています)」。
 謎ばかりが残りました。しかも、シャットは精神崩壊を起こしているので、事情も聞けず。白根香澄恵、高田教諭の死に、何らかの関わりがある、という状況証拠しかなく、起訴どころか立件も難しい、といったところです。
 ただし。
 シャットが白根香澄恵になりすまして彼女の部屋に住んで教職に就いていたことは間違いないので、「占有物横領(白根香澄恵の財産を勝手に使っていた、と「推測」して)」や「詐欺罪(給料が支給されて、それを受け取る、という目的があった、と「推測」して)」での立件という方向で、とりあえず動くことになりました。
 いずれ、シャットは精神のバランスを取り戻すでしょうが、彼女はこちらの世界から逃れることはできません。その頃には世界の融合が始まっており、「辻褄合わせ」によって、その時こそ、彼女は「罪人」として世界に「存在」していることになるでしょうし。

 もともとは、しまい込んだ設定を「成仏させなきゃ」と、ある意味、軽い気持ちだったはずなんですが、私にとっては「大事(おおごと)」になってしまいました。

 あと、書き残したことがあったら、ぼちぼち、掲示板に書かせていただきます。


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