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作品名:パピヨンは、ご機嫌ななめ 作者:ジン 竜珠

第85回 dix−14
 シャットは、銃撃を繰り返し、間合いをとろうとする。
 それをかわしつつ、パピヨンは間合いに入ろうとする。
 だが、なかなか近づけない。今、手持ちのエッサンスや技能は、みな、近接戦用のものだ。酸素と水素を反応させ、熱エネルギーを送ることも考えたが、下手をすると、バンガローごと噴き飛ぶ怖れがある。おそらく、あの建物には、和磨と、そして、由梨がいる。
 唯一、使えそうなのは、ついさっき、ドラゴンから託されたエッサンスだ。彼女はそれを「切り札」として、用意していたが、使う間もなくパピヨンに敗北した。だから、返すという手順の隙を突いて、パピヨンに盗ませたのだ。このようなことは、なかなかできることではない。唯一、ドラゴンの腕がかなりのレベルで、一度、「返す」という「手続き」をとり、その間に、一時的に「誰のものでもない」状態にすれば、「それ」が元のところに帰る前に盗むことができる。
 そんなことができるということは、ドラゴンはもしかしたら、本当に「規格外」だったのかも知れないが、元の世界に帰って行った今となっては、確認のとりようがない。
 だとしても、このエッサンスも、遠距離で発動させるのは、タイミングとコツがいるだろう。技能ではないから、自分に馴染ませる必要はないが、やはり、すぐに使いこなせるかどうか、わからない。
 距離を盗んだのだろう、いきなり、シャットが目の前に現れた。そして、掌(てのひら)を向ける。しかし。
「……ガスのエッサンスが、抜けたか」
 悔しげに呟く隙を突いて、刀でシャットの胴を斬る。
 一瞬、アルミュールが消し飛ぶ。だが、続く斬撃を浴びせようとしたとき、シャットが距離を盗んで間合いをとった。
 今度はパピヨンが空間を盗んだ。そして、シャットの背面上空、五メートルほどのところに現れ、着地と同時に、踏み込んで、シャットに斬り込んだ。装着したばかりのシャットのアルミュールが弾ける。だが、直後、シャットの姿が、消えた。そして、パピヨンの背中に激痛が走り、アルミュールが消し飛んだ。
 どうやらシャットが空間を盗んで、パピヨンの後方のどこかに現れ、銃撃したのだろう。
 振り返り、シャットの位置を確認すると、パピヨンは距離を盗んでシャットの間合いに入り、刀を突き刺す。だが、その直前に、シャットはアルミュールをまとったのだろう、致命的ダメージも、アルミュールが消え、相殺された。そして、空間を盗んで、離脱しようとした瞬間、シャットの刀が、パピヨンの肩口を裂いた。体勢が崩れた瞬間、銃弾がパピヨンの右肩を貫いた!


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