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作品名:パピヨンは、ご機嫌ななめ 作者:ジン 竜珠

第67回 neuf−5
 思惑通り、すぐ近くにシャットの姿が現れたのを見ると、パピヨンは、平行距離にして、五メートル、屋根の下を出て、今度は「高さ」を盗んだ。右手に光の刀を出現させ、落下エネルギーを乗せて、シャットの左肩を刺し貫いた。
 シャットがたとえようのない言葉で絶叫し、手にした銃が消滅する。
 どうやら、目測を誤り、心臓を貫くことはできなかったようだが、かすめるぐらいはしたはずだ。このダメージで、しかも刀を抜かなければ、シャットは何もできないはず。
 だが、いかなる精神力か、シャットはその刃を受けたまま、パピヨンを突き飛ばし、後ずさった。
「ど、どうし……て! 私の来る位置が、わかった……!?」
 苦しい息の中、シャットが言った。
 パピヨンは、幾分、誇らしげな思いで言った。
「どこから狙ってくるかわからないのであれば、どこか『特定の一ヶ所』からしか狙えない場所に移動すればいい。それだけのことよ」
 さっき隠れた場所だと、前、後ろ、さらに、斜め方向など、いろいろと狙える場所があった。だが、ここなら、壁を背にすれば後方からの銃撃はないし、天井がふさがっているから、高所からの狙撃もない。つまり、パピヨンの目の前に現れるしか、選択肢はないのだ。
 大量に吐血し、シャットが言った。
「あんた、ねえ……。女の大切な臓器、……刀なんかで、……刺し貫くん……じゃないわよ……!」
 そして、刀を抜き去り、喉をえぐるようにして言った。
「……今度は……、あんたの、その臓器、……えぐり出して、ノラネコどもにでも、喰らわせてやるわ!」
 シャットの姿が消えた。空間を盗んだのだろう。
 しばらくして、音が戻ってきた。


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