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作品名:パピヨンは、ご機嫌ななめ 作者:ジン 竜珠

第6回 un−6
 俺がそう思っていると、白い影が高い声で笑った。
「それじゃあね、パピヨン。タイムリミットまで、せいぜい、頑張んなさい」
 そして、白い影が消えた。
 ほんとになにが、どうなってるの?
 そう思ったとき、パピヨンが俺の前に立った。そして、いきなり、俺に唇を重ねてきた。
 軽くパニックになったけど。
 なんか、変なんだよね、今のキス。なんていうか、俺の中にある「何か」が、口を通じて、パピヨンに流れ込んだような。
 いや、唾液とか、そんなエロいことじゃないぞ!? もっと、抽象的なものだ。うまく言えねえけど。
 俺からパピヨンが離れる。
「あ……」
 ついさっきまで「黒い影」でしかなかったパピヨンが、はっきりと「見える」! 顔は、よくわからないけど、背中まである長い髪とか、女性的なボディーラインとか。
 パピヨンが口許(くちもと)に挑発的な……そう、まるで、俺を見下したような笑みを浮かべて言った。
「君の心、盗ませてもらったから」
 その言葉が何を意味するのか、わからないまま、気がつくと、音が戻ってきていた。

「どうしたの、和磨くん、そんなところに立って?」
 由梨の声がした。
「ああ、なんでもない」
 振り返って、そう答えておく。今起きてたことは……。
 夢、というには、リアルすぎたな。
「あれ? 上着のポケット、何か出てるよ?」
 由梨の言葉に、俺はジャケットのポケットに、白い紙があるのを見た。まるで、「誰かがネジ込んだけど、失敗して、ちょっとはみ出た」感じに見えた。
 それを手に取った瞬間。
「あれ? これって」
 違和感を感じた。


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アクセス: 2016