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作品名:パピヨンは、ご機嫌ななめ 作者:ジン 竜珠

第4回 un−4
 翌日の放課後。
 帰宅部なんで、帰ろうと正門を出たら、クラスメイトが、サラリーマン風の長身の男性と、話(はなし)してた。んで、俺に気づくと、俺を指さした。
 なんだ、なんか、俺に用事でもあんのか?
 そう思ってたら、クラスメイトは男性に頭を下げて、帰っていった。そして、その男性が俺に近づいてきた。身長が百八十センチぐらいありそうだ。見下ろされるのは、普通に威圧感を感じるな。
「鞠尾和磨くん、だね?」
 柔らかい笑顔で、その男性が言った。
「ええ、そうですけど?」
 その瞬間、なにかの「匂い」がすることに気づいた。なんの匂いだろう、って思ったけど、すぐに思い出した。
 ゆうべ、あの白い影が現れた時にかいだ匂いだ!
 夢じゃなかった! 確かに、あの匂いを漂わせる何者かがいて、俺は、その何者かと会っている!
 思いっきり警戒の表情になっていたからだろう、男性が、笑顔を崩さないまま、俺に「あるもの」を出した。生徒手帳だった。男性が表紙をめくると、俺の名前がある。
「あ、これ」
 いつの間にか落としていたらしい。
「ゆうべ、『みづみ児童公園』で拾ったんだ。……実は、僕もあの場にいたんだよ。パピヨンを追ってね」
「え!?」
 思わず、顔を見上げると、男性が頷いた。
「こういうものなんだ、僕」
 と男性が名刺を出した。
「私立探偵 大空(おおぞら) 栗人(りっと)」と書いてあった。
「私立探偵……?」
 なんか、ものすごく、うさんくさい。
 俺の表情に何を見たか、男性は苦笑いを浮かべた。
「詳しいことは言えないけどね。僕は今、怪盗パピヨンを追ってる。それで、ゆうべ、『みづみ児童公園』でパピヨンを見かけてね。その時、君が一緒にいるのも見えたんだ」
 ゆうべ、か。だから、この人にあの「匂い」がついちゃったのか。
「ねえ。君が見たのは、パピヨンだよね?」
 その言葉に、俺は記憶を掘り起こしてみる。
「え、と。確かに、蝶の形をした仮面をつけてましたけど、怪盗パピヨンかどうかは……」
 男性が、俺をまじまじって感じで見た。
「……この少年が……」
「え?」
 意味不明の言葉に、俺が首を傾げると、男性が、また、笑顔になった。そして、一言。
「悪いけど、我が主(あるじ)のために、来てもらうよ」
 男性がそう言った瞬間、周囲が凍るような感覚があった。周囲の動きも、音すらもない。
 ゆうべと同じだ。とすると、こいつが、あの時の白い影!?


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