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作品名:パピヨンは、ご機嫌ななめ 作者:ジン 竜珠

第2回 un−2
 肩までの黒髪。美少女っていってもいい、同級生。
 その女生徒に、俺は声をかけた。
「おはよ、吾妻二号」
 女生徒が振り向いた。
「おはよ、鞠尾(まりお)くん。あと、あたしの名前は川平(かわひら)煌(こう)だから」
「ああ、そうだったな、すまん、量産型吾妻」
 俺の言葉に、女生徒が眉をひそめる。
 こいつの名前は川平煌。一週間前に、ここ市立館端高校二年二組に転校してきた。それだけでも注目の的なのに、さらにもう一点。
 こいつ、顔といい、髪型といい、体つきといい、由梨とウリ二つなんだ。身長は、川平は百六十五センチだっていうから、俺より四センチ低く、由梨より十五センチ高いが、それ以外は、由梨のコピーっていってもいい。だから、俺はこいつのことを「吾妻二号」って呼んでる。
「まあいいわ」
 と、言ってから、川平は俺と由梨を見て、意味深な笑いを口に浮かべる。
「あいかわらず、仲がいいのね」
「勘違いしてると思うがな、俺とこいつは小学校からの腐れ縁だ。あと、家が近所なだけだ。あと、こいつ、お節介で、毎朝のように俺を起こしに来るだけだ」
「それだけ、フラグが立ってたら、十分よね?」
「一応、聞いておく。なんのフラグだ?」
「さあ?」
 と、もう一度、意味深に笑ってから、川平は校舎の方へ歩いて行った。
 それに続いて歩き出すと、
「和磨くん」
 と、由梨が歩きながら俺を見上げた。
「なんだよ、由梨?」
「お昼休み、お弁当(べんと)持って、図書室前で待ってるね」
「……。おう、ありがとな」
 頬が熱くなるのを、感じた。
 フラグが、もう一本。
 思わず、心の中で呟き、恥ずかしさで、ふと、由梨から視線を逸らすと、川平の背中が見えた。その時、髪の毛の落ちるのが見えたんだが。
 違和感を感じて、拾ってみると。
「長(なげ)ェな。これ、川平の髪の毛よりも、ずっと長ェ」
 まあ、どこかで、誰かの髪の毛がついただけかもな。


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