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作品名:今日も杏とて。継 肆之章 作者:ジン 竜珠

最終回 5
「えと。相談料を」
 当面、僕がするべきことが見えたんで、ここを出ることにした。スピリチュアルなアイテムは、また今度にしよう。
 僕の言葉を聞くと、杏さんが、きょとんとなった。そして、デスクについている珠璃ちゃんに言った。
「珠璃はん。ウチ、スピリチュアルなご相談、受けましたか?」
 それに、珠璃ちゃんが今にも笑い出しそうな顔で答えた。
「世間話ばっかりしてました」
「そういうことや。相談料は、いただけまへん」
「え? でも、対応するアイテムを調整するために、話を聞く、とかって……」
 困惑した僕の言葉に、杏さんが、また珠璃ちゃんを見る。
「ウチ、そないなこと、言いましたかなあ?」
 珠璃ちゃんが、今度は、はっきりと笑いながら言った。
「すみません。そのあたり、ボク、よく聞いてませんでした。だから、わかりません」
「そういうことや。ここは『スピリチュアル』の相談所。変な難クセつけるんは、やめてくれますか?」
「いや、難癖とかって、そもそもクレームのことじゃあ……」
「次のお客さんがお見えになりますさかい、とっとと、お帰りになってください」
 言いかける僕の背中を押すように、杏さんは僕を出入り口の方まで誘導した。
 そして、最後に柔らかい笑みで、こう言った。
「ウチな? ホンマは教育学部です。ウチの知り人にガッコのセンセがいてるんやけど、『先輩』は多い方がええですさかい、ウチにしっかりと背中を見せてくれるセンセに、なっておくれやす」


(今日も杏とて。継 肆之章・了)


余談。

「神氣学園SAGA」でイメージしていた、各ヒロインの瞳の色は、鬼城珠璃:アクアマリン、鳳美悠那:ペリドット、天宮杏:シトリン、橘麻雅祢:ルビー、でした。
 それから、零司や麻雅祢や、鷹尋の出番がグッと減ってしまった理由について(まあ、気にしてない方の方が、多いとは思いますが)。彼らには、こういう「役割分担(一人のキャラがなんでもできるのは、「逃げ」なので)」があったからです。零司:竜輝が迷ったとき、導く。麻雅祢:「封神傳」でイザナミを退ける「鍵」となる技能の保持者。鷹尋:竜輝の「心のオアシス」。「今日も杏とて」は、杏が主人公ですし、彼女、「神氣学園SAGA」の時よりも、随分「成長」してしまっているし。
 そう、「神氣学園」と「今日も杏とて」で、杏のキャラクターが、若干、かわってるんです。お分かり頂けるかどうか、微妙なところなんですが、「神氣学園」での杏は、基本的に「面倒なことは全部、他人にブン投げて、自分は高みの見物をきめこむ」キャラクターだったんです。ただし、「人を護る」という使命感は、強く持っていましたが。
 そのあたりの「ズレ」も、一つの要因となって、前シリーズ「今日も杏とて」では、「杏が、一体、何を見ているのか」がわからなくなってしまったんですが。
 今作「継」では、ある程度、割り切りました。珠璃の言葉ではありませんが「それはそれ、これはこれ」です。

 おまけ。
 上記のことなんかを踏まえれば、杏の特殊能力である「光の球体に包まれる」というのが、「自分を安全圏に置く」という意味であるのが、お分かり頂けると思います。


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