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作品名:今日も杏とて。継 壱之章 作者:ジン 竜珠

第4回 壱之章・肆
 またバスに揺られること五分程度。また、後ろの座席から声が聞こえてきた。
「ボク、もう一ヶ所、寄りたいところがあるんです。寄ってもいいですか?」
「へえ。構いまへんえ」
 また、この子たちだ。スゴい偶然だな。どんな偶然が重なったら、同じ子たちが、同じバスに乗り合わせて、また俺の後ろの座席に座る、なんてことが起きるんだろう?
 ちょっと見渡してみると、見える限り、座席は全部埋まってる。もしかしたら、たまたまここの座席だけが空いていたのかも知れない。
 でも、この二人の姿、バス停では見なかったように思うんだけど? ……すぐ後ろにいたら、気がつかないこともあるか。
「寄る、て、どこですやろか?」
 その返事に出たのは、俺が向かう駅の近くにあるファミレスだ。
 そうだな。時間に余裕もあるし、俺も何か腹ごしらえをしてから電車に乗ろう。まだ、時間的には昼食に早いけど、いいだろう。

 ファミレスに入ると、会社の人がいた。俺がついこの間まで、バイトしていた運営会社の人だ。蒲田(かまた)さん、和久(わく)さん、沖原(おきはら)さんの三人がいて、何か難しい顔をしている。
 俺は、その人たちから離れた席に座ろうとした。……したんだけど、一足早く、そのボックス席は、例の女の子たちにとられてしまった。
 だから、俺は仕方なく、三人のすぐ隣の席についた。もちろん、三人には、背中を向けてる。やっぱり顔を合わせたくない。この複雑な心境、理解できる人はいないかも知れない。
 メニューを手に取ったとき、三人の会話が耳に入ってきた。
「どうします、蒲田さん? 今からコンペやってたんじゃ、間に合わないッス」
「ほんとだよ。なんで、今さら、『著作権問題』が起こるの!? そういうのはクリア済みなんじゃないの、和久くん!?」
「俺に言わないでくださいよ、蒲田さん。俺だって、寝耳に水なんですから! おい、沖原、お前の管理不行き届きだぞ!?」
「俺ッスか!? 俺が悪いんスか!?」
 なんか、トラブル発生かな?
「お客様?」
 その時、若い女性の声がした。どうやら、店員さんが俺のところにオーダーをとりに来たらしい。……俺、コールボタン押した覚えないんだけど?
 まあ、いいか。


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