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作品名:今日も杏とて。episode.2 作者:ジン 竜珠

第3回
 僕は、ようやく理解した。
 僕は誰かが発した、懸想(けそう)の念の塊(かたまり)だ。
 それがわかった時。自分自身が、実体じゃないことを知って落胆した。実体じゃないということは、彼女に会えない、そして、決して想いが叶わない、ということだ。
 でも、僕は今、不思議な昂ぶりを感じている。
 いろんな「何か」が、僕に集まってきている。
 いつの頃からだったのか、そんなことはわからない。
 気がついたら、集まっていたから。
 その「何か」は、どうも、性質(たち)の悪いモノばかりみたいで、気分が悪くなるんだけど、その「何か」のおかげで、僕は「身体」を持ちつつあるのがわかった。
 その身体は、物理的な実体とは違うみたいだ。でも、何かに触ると、その感触は伝わってくる。
 一応、人のカタチではあったけど、少し違う。もっとシャープで、もっと力強い。色も黒くて、とてもシックな感じだ。これなら、天宮杏先輩に釣り合うんじゃないだろうか?
 これだったら、天宮先輩に会えるかも知れない。天宮先輩に触れられるかも知れない。 天宮先輩と、一つになれるかも知れない!
 天宮先輩を満足させられるかも知れない!
 そう、僕は一つになりたい、天宮先輩と!
 僕は、この身体で、一つになりたいんだ!

 そう、あの人を……。

 喰べてしまいたい。


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