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作品名:神氣学園Saga 「AS(After Season)」 作者:ジン 竜珠

第35回 杏香傳・中編
 私は、今、追い詰められている。
 様々な批判にさらされ、時に妬まれ、神経はすり減っていた。
 今、私は、宝條にある公園に来ていた。
 時刻はもうすぐ午後四時半。ベンチに座り、缶コーヒー片手になんということのない景色を眺めている。
 明日、辞表を出そうか、と考えている。もちろん、今、抱えているプロジェクトが気になりはしたが、こんな思いをしてまで進める価値が、見つけられない。
 今日は結局、休暇を取った。昨日、上司から「根を詰めるな」と言われたからだ。そんなことを言うぐらいなら、私をやり玉に挙げる連中をどうにかして欲しい。いくつかあるプロジェクトの中で、なぜ私だけが、こんなに責められなければならないのだ!? あいつらがやっているのは、単なる揚げ足取りじゃないか!!
 大体、プレゼンが通った時点でゴーサインだろう? それを今になって「対費用効果の見積もりが甘い」だの「先読みができてない」だの。
 私は、何度目かの溜息をついた。
 今日一日、何もかも吸い込みそうな青空だったというのに、私のこの苦しみだけは、吸い込んでくれなかった。
 その時。
「お隣、座ってもかまへんやろか?」
 若い女性の声がした。
 見上げると、スーパーロングヘアの女子高生がいた。美人といってもいいじゃないだろうか。臙脂色のブレザーに黒いチェックが入った黄色いプリーツスカート。白いシャツに青いネクタイ。制服から見ると、市内の私立高校「新輝学園」の生徒だろう。左胸に「V」という縫い取りがあるから、三年生か。
 私は、無言で彼女が座る分のスペースを空けた。
「お邪魔します。いやあ、ここまで歩きづめで、脚が疲れましたわ」
 と、彼女は微笑む。
 私は何も答えず、コーヒーを口に含む。
「おたずねしますけど」
 と、彼女が私を見た。
「妬まれる、いうのんは、認められてる、の裏返しですえ? そこのところ、おわかりですか? もっと胸を張ったらよろし」
「は?」


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