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作品名:神氣学園終劇之傳 作者:ジン 竜珠

第5回 傳之伍
 さすがにこの事態の収拾を付けるのは、難しい。
 そう思っていたら、珠璃が、おそらく自分の判断で、こんなことを言った。
「困ったなあ。ボツになったシナリオのキャラが出てきたら、ややこしくなるだけじゃないか。このお芝居はミステリ。妖怪モノは、企画会議でボツになっただろ?」
 なるほど。楽屋オチで、どうにか収拾をつけるか。最善とは、いえねえだろうが、これしかないかもな。
 屋敷さんはともかく、栂さんも、この初老の男性も、どう見たって、高校生じゃねえもんな。
 俺は、珠璃に合わせることにした。
「そうそう。いくらシナリオライターに未練があったからとはいえ、エキストラさんを使ってまで、こんなところに出てくるなんて」
 栂さんが、首を傾げる。
「え? エキストラ? 竜輝さん、何を言って……」
「いいから、ここは俺に合わせてください!」
 そして、俺は、事態が理解できずに混乱しきっている男性を後ろ手にし、「念」を送った。この人が何者かわからねえが、これほどのマイナスの氣が溢れているのは、尋常じゃないし、看過できねえ。だから、動きを封じさせてもらった。栂さんが俺に一礼し、屋敷さんと一緒になって、男を舞台袖まで引きずっていった。
 鬼の方は。
「ささ、とっとと、帰ってもらおうかな」
 と、珠璃が背中を押して、舞台の袖まで押しやっている。あ。術、使ってる。
 袖に引っ込み、観客から見えない位置まで来ると、何か呪術を使ったんだろう、鬼が消滅した。
 俺は、気を取り直して、芝居を続けた。
「お話を聞かせてもらえますか」
 そう言って、俺はある一人を指さした。
「そう、あなたです」
 そこにいたのは、剣を持って持って乱入してきた、福殿(ふくどの)優流(まさる)だった。


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