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作品名:神氣学園聖夜傳 作者:ジン 竜珠

第9回 聖夜傳 傳之玖
 この学園ではクリスマスイブの前々日が二学期の終業式だ。
 理由は、単純。イブに「用事」を入れている人が多いからだ。この学校では生徒に就業体験を勧めている。で、その中にはイベント企画会社のバイトっていうものも多いし、ミハシラ以外の企業が開催する、クリスマス企画の手伝いっていうものもある。
 この学園自体、有志の先生方と生徒のみだが、クリスマスパーティーなんてものを企画している。
 まともとは思えないんだが、みんな、疑問を感じてねえんだよなあ。
 ちなみに、このパーティーには生徒会と自治局はタッチしていない。この二つが噛むと、どうしても「学校行事」感が出るから、らしい。
 だから、ここって「学校」なんだが?

 終業式が終わって、ホームルームとか掃除とかもすみ、学校を出た頃、紗弥さんから電話がかかってきた。
「どうしたんですか、紗弥さん?」
『竜輝さん、今夜、お時間、よろしいかしら?』
「時間? ええ、空いてますけど?」
『ちょっと、手を貸してもらいたいのだけど』
「なんですか、一体?」
 電話の向こうで、少し、ためらうような気配があったのは、気のせいか?
『ちょっと、私の手には、おえないことが起こってしまって』
 この人は、学園理事長の秘書をやってる。厳密には、ミハシラ・コーポ内での事務にも関わってるらしいが、詳しくは知らない。
 そう、俺は「詳しく知らない」のだ!
 だから、紗弥さんの「表の顔」に関わることで、彼女が俺の助力を求めるはずがない!
 ということは彼女の道士としての「裏の顔」に関することで、十中八九、「厄介なこと」だ!
 彼女は天宮流神仙道宗家が結成した秘密組織「冥神」のメンバー。だから、たいていの霊災なら、難なく鎮めるだろう。それに、姉貴も凉さんも冥神だし、冥神って結構大きな組織らしいから、まず解決できるはず。
 つまり、何らかの「異常事態」が起きた、ということ。
 俺は緊張を隠さず言った。
「かなり厄介なことになってるんですね?」
『そうね。面倒と言えば、面倒だけど。でも、竜輝さんが力を貸してくれたら、なんとかなるわ』
 彼女の口ぶりは、どこか、軽い。まるで「重大事ではない」と振る舞っているようだ。
「わかりました。どうしたらいいですか?」
『市電の宝條西っていう駅で待ち合わせましょ? 本当は四時半ぐらいがいいんだけど、私の方の都合がつかないから、六時でいいかしら?』
「わかりました」
 通話を終えると、俺は家に直帰した。
 一応、これまで伝授された神歌や祝詞、各種儀式の次第は頭に入っているが、確認しておいた方がいいかも知れない。


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