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作品名:神氣学園聖夜傳 作者:ジン 竜珠

第8回 聖夜傳 傳之捌
 なので、とりあえず、二人の話を黙って聞くことに。
 それしか、ねえだろ?
「橘さん、天宮先輩とつきあってるって、本当?」
「うん」
「でも、天宮先輩と生徒会長が恋人同士だって、新聞部が出してる新輝新聞にも載ってたし!」
「だから、生徒会長には、許可もらってる」
 塚本くんが、なんか両手をしっかり握って、震えてるんだが、気づいてるか、麻雅祢? 彼、本気でお前のことが好きだぞ?
 俺と珠璃が恋人同士だっていうのは、まあ、新聞部がそういう記事を載せちまったから、ある程度は広まっている。ただし、この新聞部、ガセネタも割と「堂々と」報じるらしい。だから、記事の信憑性を疑ってる人の方が多いという。実際、俺のクラスやスイーツ研究会辺りでは「誤報」っていうことが定着しているし、それに繋がった方面では、また嘘八百か、っていう見解が普通になっている。
 確かに、新聞部の稲桐一子さんが、この夏にあった、ある出来事の際、「密着」してたけど。インタビューをまったく受けていない俺の「コメント」が載ってるあたりから、この新聞がどんなものか、わかるな。
 不意に、麻雅祢が俺を見上げた。相変わらず、何考えてるかわからねえが。
 で、塚本くんも俺を見ている。涙さえにじませて。
 さて。どうしたものか。
 俺は、もう一度、二人を見た。
 そして。
「あー。すまん、塚本くん。今は『そういうこと』になってるみたいだから、なんていうか。また、時期を見て告白してやってくれるかな?」
 保護者目線だな、これ。しかし、麻雅祢は今、「惚れた腫れた」の話には、興味を持てないみたいだ。そういうヤツにアプローチするのは、君にとっても、多分、時間と気力の無駄遣いになると思う。
 そんな俺の思いが通じるわけは……ないだろうなあ。
 塚本くんは、俺を睨んでいたが、上着の袖で涙をぬぐうと、笑顔になって言った。
「天宮先輩が、相手なんだったら、仕方ないです。お騒がせしましたっ!」
 そして、教室から駆け出して行った。
 なんていっていいか。
 俺は麻雅祢を見た。
「お前、もうちょっと他に方法なかったのか?」
 どんな方法があるかなんてのは、俺にはわからねえけどな。
「昨日、杏さんに相談したら、アドバイス受けた」
「アドバイス?」
「『戦いで弱らせて、動きが鈍くなってから使うのがセオリーだけど、たまには出会い頭にスペ〇ウム光線を撃っても面白い』って」
「……で、その結果がこれか?」
 頷いて麻雅祢が言った。
「竜輝なら『一撃必殺』になる、って杏さんが言ってた」
 なんか、「悪の組織の、真の黒幕」になってないか、あの人の立ち位置って?


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