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作品名:神氣学園清秋傳 作者:ジン 竜珠

第4回 壱之傳 祝祭前夜・参
 珠璃の話では、私立新輝学園の文化祭は土曜、日曜、月曜の三日間に渡って行われるという。土曜の午後二時ぐらいから「前夜祭」、日曜が「本祭」、月曜の午前中が「後夜祭」だそうだ。
 このうち、一般公開されているのが前夜祭と本祭。後夜祭は後始末と、実質的な打ち上げなんだそうだ。
 本当に、大丈夫か、この学園? 文化祭の打ち上げをスケジュールに組み込むなんて、あり得ねえからな?
 なお、前夜祭は割と「おかたい」イベントがメインらしい。その分、本祭は本当にお祭り騒ぎなのだそうだ。
 前、通っていた高校は公立だったせいか、一部大がかりではあったんだが、それでも「文化祭」の域を出なかった。
 これまでの経験からすると、この高校は相当「アレ」なところだから、高校の域どころか、世間の常識に収まってるかどうか、すっげえ不安だ。

 時間が経つのは早いもので、俺は珠璃と一緒に前夜祭の会場にいた。まあ、前日から準備とかしてるのを見てたんだが。
 各教室のパネル展示や催し物、屋外ステージの設営、各種出店。これは普通のレベルだ。むしろ、当たり前すぎる。しかし、だ。
「なあ。なんで、千京市内の業者が、出張店舗、展開してんの? 『高校』の文化祭じゃねえの?」
 市内で見たことのある看板とか、ロゴとか、あるんだが?
「えーとね」
 と答えてくれたのは、いつの間に来ていたのか、俺と珠璃の傍にいた美悠那だ。
「うちの学校って、進学と就職が半々なの。就職する人の中には、起業する人もいるらしくてね。いわゆる『就業体験』とか『技能シミュレーション』の意味があるらしいわ」
 俺は思わず珠璃を見る。
「言っておくけど、ボクがここに来る前からだよ、これって」
 マジで頭が痛い。なんなんだ、この高校は?
「あ。これ、学生会で作成したイベントリストの追加分ね。入り口に置いてあったけど、竜輝と生徒会長の姿が見えたから、ついでに。もしかして、もう持ってた?」
 珠璃が笑顔で答える。
「まだなんだ。ボクと竜輝は午前中から学校に来てたからね」
 正門のところで案内所や受付が設営されたのは、確か、十二時半頃。俺と珠璃は十二時頃から学校に来て時間を潰してたから、このイベントリストは知らない。今、一時二十分だしな。
「じゃあ、あたし、スイーツ研の模擬店の準備があるから」
 そう言って、美悠那は去って行った。
 その背中とリストを見ながら、俺は呟いちゃったわけだ。
「カオスにもほどがあるだろ」
「ミスコン、当日エントリー歓迎!」って、普通、ないからな、こんなの。


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