小説&まんが投稿
 ようこそゲストさん トップページへ ご利用方法 Q&A 操作マニュアル パスワードを忘れた
 ■ 目次へ

作品名:神氣学園清秋傳 作者:ジン 竜珠

第17回 参之傳 母、また来たる・参
 麻雅祢も一緒に昼メシを食おうって話をしていた時、インターフォンが鳴った。
 誰だろうと玄関に行くと。
「……え? 母さん?」
 そこに笑顔で立っていたのは、俺の母さん、天宮仙滿(あまみや ひとみ)だった。
「え? あれ? 全然、気配とか感じなかったけど!?」
 母さんほどの道士になると、近づくと、その大きく清らかな氣を感じることができる。それは遠くからでも、そして「時間的に前」からでも!
「気配とか霊的痕跡は、すべて絶っておいたから」
 母さんなら、それぐらいできるかも知れねえ。
 ちなみに、今目の前にいる女性は二十代後半にしか見えねえが、俺の実の母だ。だから、それなりの年齢だ。天宮流の修行者で、ある程度修行が進んだ人は、喩えでも何でもなく、本当に若返る。十年ぐらい昔の写真と今とを見比べると、明らかに今の方が若い。宗師も、本当は八十代なんだが、四十代に見える。ただ、白髪だけはどうにもならなかったらしいがな。
 風呂敷に包んだ縦長の大きい箱を持ち、母さんは家に上がって、リビングに入った。
「お母さん!?」
「お母様!?」
 姉貴と珠璃が驚いてる。そうだろうな、全然、そんな気配しねえもの。
 ちなみに麻雅祢も、母さんには気づいたけど、会釈をしただけ。まあ、こういうやつだから。
「夏以来ね、珠璃ちゃん」
 と、微笑む。
「お母さん、言ってくれたら、いろいろ準備とかしたのに!」
 姉貴が、驚きながらも嬉しそうに言う。
 人をもてなす場合は、やっぱりある程度の準備がいるからな。
 しかし、母さんはそれには構わず。
「他のところへ行く途中だから、気にしないで? ところで、聞いたんだけど」
 と、母さんは珠璃を見る。珠璃は立ち上がっていて、かしこまっている。二人の身長差はそんなにない。
「今、ここで暮らしてるんだって?」
 何処か意地の悪いように見える笑顔で、そんなことを言うと、母さんはジャケットから眼鏡を取り出した。目尻の辺りが妙につり上がった、かなり鋭角の眼鏡だ。昔のドラマをケーブルテレビで見たことあるけど、あれって、そのドラマに出てた「教育ママ」っていうキャラがかけてたのに似てるな。今時、売ってるのか、あんな眼鏡?
「はい。こちらで、竜輝さんのお世話をさせていただいております」
 随分とよそよそしい言い方だが、仕方ない。母さん、宗師の実の娘、つまり直系だからな。
 すると。
「天宮の嫁として、ふさわしいかどうか、私がテストしてあげます!」
 と言い放った。
 俺は姉貴のそばに行った。
「なあ、姉貴。今から何が始まんの?」
 姉貴は笑いながら、「さあ?」と、首を傾げていた。


← 前の回  次の回 → ■ 目次

■ 小説&まんが投稿屋 トップページ
アクセス: 83