小説&まんが投稿
 ようこそゲストさん トップページへ ご利用方法 Q&A 操作マニュアル パスワードを忘れた
 ■ 目次へ

作品名:神氣学園清秋傳 作者:ジン 竜珠

第14回 弐之傳 本祭狂詩曲・捌
「キーボードのミキちゃんとか、視線を感じるとゾクゾクするって言ってますし、ギターの、ちづる先輩はフロントでアドリブやってる時、みんなの熱気が伝わってきて、意識が飛ぶことがあるって、ゆってました。あたしも唄ってると、身体がとろけて、オーディエンスに流れ込むのを感じるんです。だから、ぜひ、見てください!」
「……うん。ありす、お前、もうちょっと語彙を増やして、適切な表現方法を身につけよう、な?」
「はい?」
 と、ありすは首を傾げている。
 珠璃はなんとも微妙な笑みを浮かべながら、言った。
「何番目に出るの?」
「最後です!」
 ということは。イベントガイドによれば、六時頃だな。
「絶対、ぜーったい、見てくださいね!」
 と、ありすは去って行った。色々準備とかリハーサルとか、あるだろうしな。
「さて、と、まだ十時だけど、美悠ちゃんのところに顔を出そうか。料理研と合同で、実習棟にいるそうだから」

 実習棟の調理実習室には、三十人ぐらいがいるだろうか。男子もちらほらいるが、圧倒的に女子だ。ちなみにこの実習室は二部屋あって、どちらも使用中だ。ということは、まだまだ人数が多いんだな、料理研とスイーツ研って。
「竜輝、鬼城さん、こっち」
 と、電磁調理器の前にいる美悠那が手を上げる。
「今ね、追加でオーダーが入りそうだから、抹茶プリン作ってるの」
 やたらとでっかい鍋に入れた牛乳をかき回しながら、美悠那は言った。
「戸本さんたちは、ホットケーキ作ってるの。盛況なのは嬉しいんだけど、この抹茶プリンみたいなものは、作るのに時間がかかったりするから、もうたいへん。ある程度予測して、作り置きはしておいたんだけどね」
 その時、美悠那の携帯が鳴った。
「はい。……え? シフォンケーキもなくなりそうなの? どうしよう、露店と買い出しの人を回して……。そうよね、そっちも人手が足りないわよね。こっちも、六人じゃ足りない。料理研の人も、あちこちにお料理とか、料理イベントに部員を提供してるから、お手伝い頼めないし」
 すると、何を思ったか。
「シフォンケーキなら、ボクもできるよ。午前中だったら、手伝ってもいいけど?」
 と、珠璃が上着を脱ぎだした。
「え? ほんと!?」
 と、美悠那が珠璃を見る。
「材料、何処かな?」
 すでに手伝う気満々だ。
 お前、一応、生徒会長なんだから、こんなところで、こんなことしててもいいのか?
 そう言いかけた時、珠璃が俺に言った。
「風紀委員会とか、学生会とか、頼りになるんだよ?」
 そういうやつだったな。

 ちなみに。
 本祭の、その後の展開がどんなものになったか。
 わざわざ言わなくても、わかるよな?


(弐之傳 本祭狂詩曲・END)


← 前の回  次の回 → ■ 目次

■ 小説&まんが投稿屋 トップページ
アクセス: 46