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作品名:神氣学園清秋傳 作者:ジン 竜珠

第11回 弐之傳 本祭狂詩曲・伍
 グラウンドを取り囲むように模擬店が並んでいる。いくつかは千京市にある一般企業の出張店舗なんだが、ほんとにいいのか、それって?
 とにかく「賑わっている」っていう言葉じゃ、表せねえ。フェスとか夏祭りとか、バーゲンセールとか、そういうのを、ごった煮にしてぶちまけたら、多分、ここの状況と同じになる。
 しばらく歩くと、陸上部の模擬店があった。ここは焼きそばか。
「竜輝」と、俺を呼ぶ声がした。
「鷹尋か」
 そこにいたのは。一年の佐久田鷹尋だ。エプロン着けて、三角巾を被っている。
 ……サマになってる。
 こいつ、服装によっては女の子に間違えられることが多いからな。この八月に二人で街に遊びに行ったんだが、どこかのカメラマンにカップルだと間違われて、写真撮影の許可、求められたんだよな。
 鷹尋のヤツ、ショック受けてたけど。
「鷹ちゃんのところは、焼きそばだったね」
「うん。珠璃ちゃんも、どう? ソースと塩ダレの二種類から、選べるよ」
 鉄板が二枚あって、一つは普通のソース、もう一つは色が薄いから、こっちが塩だれなんだろう。
 香ばしくって、腹が減ってくる。
 まだ、朝の九時過ぎなんだがな。
「じゃあ、もらうよ」
 と、珠璃が俺の同意を得ずに、オーダーした。
「……鷹ちゃん、わかってるよね? 箸は『一膳』でいいからね?」
「そ、そうだね」
 と、鷹尋が困ったような笑いで俺を見る。
「……任せる」
 さりげなく「焼きそばは一人前でもいいけど、箸は二膳、用意しろ」って念を飛ばしたんだが。
 出てきた焼きそばは、分量は二人前、箸は一人分だった。

 で、学校ってところは、意外に人の目が多い。実習棟と本校舎の間に、中庭があって、そこのベンチに座って、俺は珠璃に焼きそばを『食べさせられた』。
 さすがに「あーん」とかいう単語はなかったがな……。
 文化祭明けたら、俺のこと、どういう評価になってるんだろうな?


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