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作品名:誰が彼を殺したか? 作者:ジン 竜珠

最終回 誰が彼を殺したか?
まえがき

 すみません、一度は「ここを去る」、なんてことを書いておきながら、あっさりと舞い戻ってしまいました(苦笑)。この辺の事情は「雑談掲示板」をご参照ください。


誰が彼を殺したか?

 この手紙を読んでいるということは、私は死んだということなのだろう。
 私は毎晩、寝る前にこのデータを消すようにしている。その都度、外部メモリーに記録して、パソコン本体のデータを消去しているのだ。
 そして、朝一番にメモリーから、このパソコンにデータを移している。とても面倒な作業だが、こうすると、夜、眠っている間、というのでもない限り、私が不慮の死を遂げたことがわかるのだ。
 そして、この手紙を一番に発見するのは、おそらく君であろうこともわかっている。
 おめでとう。おそらく君は、何らかの形で完全犯罪を成し遂げたのだろう。詳しいことは、犯罪心理学者に過ぎない私には、わからない。もしかしたら、直接、手を下すのは、君ではないのかも知れない。

 思えば、君が「犯罪心理に興味がある」といって、私に近づいてきた時に、君には何らかの狂気が宿っていることは、感じていた。君は、犯罪心理というより、心理そのものに共感していたからね。まるで「自分にも理解者がいる」。そんな風に言いたそうな表情をしていた。
 君の異常性に気づいたのは、実は最近のことではない。あれは三度目に会って話をした時だ。君は「どんな罪を犯したら、どんな罰を受けるか」ということを聞いてきたね。それだけなら、なんということはない。だが、その時、君はどこか嬉しそうだった。まるで「どんな罪を犯したら、どんな罰を受けて、そして、自分が満足できるか」ということを気にしているようだった。そうでなければ「情状を酌量しても、無期懲役は逃れられない」と聞いた時、笑みを浮かべたりしないだろう。
 ひょっとしたら、君はもっと重い罪を期待しているのではないかね? そして、そういう罰を受けるために、いや、そんな罰を受けて自分が歓びに浸るためだけに、罪を犯そうとしているのではないかね?
 誰かが誰かを殺す、または誰かが死ぬ、あるいは死んでしまう。そんなことを前提に、君は行動しているのではないのかね?
 そう、君は今、私が「死ぬ」ことを望み、あるいは「死んだ」ことを前提にして、この手紙を読んでいる。

 ここまでいえば、もうわかるだろう。

 そう、私を殺した「真犯人」は、ほかならぬ「今、この手紙を読んでいる君自身」なのだ!


(「誰が彼を殺したか?」・了)


※同案多数、ご容赦!


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