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作品名:「SagaV 神氣学園滅神傳」 作者:ジン 竜珠

第11回 壱之傳 帰郷雑記・伍
「暇を持て余しているお前たちに、一つ、課題をやろう」
 翌朝、朝食後、爺さ、もとい宗師に「巳の道場」に呼ばれた俺と珠璃は、いきなりそんなことを言われた。
「課題、って、なんだ、それ?」
「なあに、その昔、ある場所に封じられた魔物を一匹、封印を解いておいたのでな、お前たち二人で探し出して封じるなり浄化するなり、してみよ」
 なんか、今、さらっとトンデモないことを仰いましたよ、このジジイ。
「ちょっと待て、やばいだろ、それ!?」
 魔物の封印を解いたぁ!? 何考えてんだ、このジジイは!?
「心配いらぬ。魔物は結界の中を出られぬようになっておるからな。千京市でお前たちがどれほど腕を上げたか、儂も興味があるでのう」
「……」
 完全に武者修行になってるな、千京市行きが。ご先祖の不始末は、どうした?
「面白そうじゃないか、ボクは構わないよ」
 珠璃がそんなことを言ったからだろうか、宗師がニヤリとした。
「さては、恐いのか? ンン?」
「よぉっし! そうまでいうなら、やってやらぁ! で、場所はどこだ?」
「裏手の森の、どこかじゃ」
「……広すぎだっつーの……」
「もちろん、ヒントはある。東側に川沿いに建った東屋があるであろう。あそこまでは行かぬが、その方向じゃ」
 確かにそんな東屋がある。確か森の入り口から見ると二十分ぐらい行ったところにあったはずだ。かくして俺たちは、その「魔物退治」に向かうことになった。

「……何やってんだろうな、俺たち」
 森の中の小道を歩きながら、俺は首を捻っていた。
「相変わらずだね、竜輝の負けず嫌いは」
 と珠璃が笑う。
 う、何も言い返せねえ。売られたケンカは買え、なんて教えられたわけじゃねえが、ああいう風に言われると、つい乗ってしまうのだ。だから、性分なんだろう。
「なるほど、これが竜輝の『操縦法』か」
 などと、物騒なことを呟く珠璃は放っておいて、俺は周囲の「氣」の変化に意識を合わせた。
「珠璃」
「うん、変わったね、『氣』が」
 どうやら結界の中に入ったらしい。そして、「そいつ」が現れた。
 淡い青い光に包まれた八岐大蛇だ。鎌首を起ち上げたその高さは、優に三メートルはあるだろう。都合十六個の目が赤い光を揺らめかせ、八つの口からは、炎のような舌がチロチロと出ていた。
「何考えてんだ、あのクソジジイ」
 俺の言葉に応えるように、大蛇が「シャー」と、唸った。


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