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作品名:「SagaU 神氣学園閑居傳」 作者:ジン 竜珠

第8回 壱之傳 最大さいきょーの決戦ッ!・捌
 そのあとで巡った店は、おそらくほぼ最初の予定通りだろうか。チーズケーキに少し時間を取られた関係で、「時間がかかる」という「エテールノ・ジョイア」をすっ飛ばしはしたものの、宝條の「みなつ」で「ダブルゆずゼリー」を食べた後……ちなみにここでの勝負は、ゼリーの中のゆず皮の数。俺が選んだゼリーの方が多かったので、俺の勝ちだ……、北斗にある「ヴィヴァーチェ」へ。つまりは予定調和内だ。時刻は午後一時十分。ヴィヴァーチェの「メレンダ・タイム」っていう時間帯に出されるチョコムースケーキとレモンティーのセットが目当てだが、メレンダ・タイムは二時から四時だ。だから、ここでも店を変えることは難しい。
 それは仕方ないとして、ここらで少し辛いものが食いたい。さっきから甘いものばっかりだったからな。
「なんか、辛いって言うか、ピリッとしたもの、食いたいっすよねえ」
 俺がそう言うと、同じ事を思っていたのか零司さんが頷いた。
「そうだな。お腹に溜まらない程度で何か食べたいな」
 鷹尋もあとに続く。
「たこ焼きとか、つまみたいよね」
「私、明石焼きがいいです」
 ありすが、意味もなく挙手しながら言うと、麻雅祢も、ぼそっとではあったが、
「ぽてち」
 と言った。
「そうねえ、あたしも、ちょっとそんな気分かな? ねえ、杏さん、どうですか?」
「へ? そ、そうどすなあ。そ、それも、いいかも知れへんけど、これからもいろいろ食べるんやさかい。ほ、ほら! 美悠那はんは、スイーツキングかかってるし!」
「構いませんよ。少しぐらい辛いもので口の中を中和しておいた方がいいですし」
「そ、そうでっか……」
 あれ? なんか、焦ってる? もしかして、これは「予定外」なのか、杏さんにとって?
「ボクもなんか、食べたい心境ですね。まだ、時間ありますし」
 珠璃までもが言うと、さすがに杏さんもダメとは言えないのだろう、「うーん」と唸るばかりだ。正直、ここで何かをつまんだところで大勢に影響があるとは思えないが、案外、小さなことが大きな結果を生むことも考えられる。もともとは気象での用語だが、いわゆる「バタフライ効果」ってヤツだ。
 もしかすると、ここでワンアクション入れると、予知の結果に影響が出るのかも知れない。
 ならば。
「美悠那、時間、少しなら大丈夫だろ?」
「うん。ここからヴィヴァーチェまで、バスなら三十分ぐらいだし、余裕ね」
 俺の意図するところを理解したらしく、「余裕」にアクセントを置いて、美悠那が頷いた。
「よし! じゃあ、十分かそこらで、なんか辛いもの食べよ−ぜッ!」
 俺のかけ声に、一同(ただし杏さん除く)が「おーっ!」と、拳を天に突き上げる。

 ……通行人の注目が集まって、ちょっと恥ずかしかったな。


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