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作品名:「SagaU 神氣学園閑居傳」 作者:ジン 竜珠

第33回 参之傳 友、来たる・拾
 その後も占いゲームだの、エアホッケーだの、太鼓たたきだの、いろいろと騒いだ。言うまでもないが、デジカメの尾行つきだ。俺が、「一緒に遊ぼう」と誘っても、「自分はこっちのゲームの方がいいですから!」とかいって、距離を取ってくる。
 正直、気になるんだけどな、物陰からこっそり(でもないが)覗き込まれるのは。
「そうだ、天宮くん、アレやろアレ!」
 と、戸賀中が何か思い立ったように言った。
「アレ? なんだ、それ?」
「ほら、前の学校にいた時に、よくみんなでやったヤツ」
 と、心持ち「前の学校」と「みんな」という単語にアクセントを置きながら、俺を見る。
「アレ……? ああ、あれか」
 と、俺は店内を見渡した。そして目的のゲームを見つける。
 それは、ダンスゲームだった。シートの上のマークと画面に出てくるマークを一致させながら、遊ぶタイプのヤツだ。ちなみに前の街にあったのは一人用だったが、ここにあるヤツは二人用、つまり、コンビネーションによって画面上のキャラクターたちが、ペアで色々とアクロバティックなアクションをするヤツだ。
「へえ、二人一緒にできるんだ」
 気のせいか、戸賀中は「二人一緒」のところを強調しながらゲームの説明ボードを見ている。
 ちなみに今、ここのゲームの前にいるのは俺たちだけだ。で、流れ的にこのゲームをやることのなったのだ。
「じゃあ、まずは竜輝と戸賀中さんで、やってみせてよ」
 珠璃が笑顔でそんなことを言うと、一瞬、本当に一瞬だったんだけど、戸賀中と珠璃との間に火花が散ったように見えた。
 ……うん、気のせい気のせい。

 そして、まずは俺と戸賀中がやることになった。こう言ってはなんだが、戸賀中はリズム感はあまりいい方ではない。なので、俺の方が彼女の動き、正確には彼女が操作するキャラクターの動きに合わせながら、自分のキャラを操作する。結果、二人一緒のコンビネーション技はレベル一程度のものしか出せず、個人技では彼女はいい点は出せなかった。
「じゃあ、次はボクの番だね」
 戸賀中がシートから降りると、珠璃がそんなことを言ってシートに上がる。
「じゃあ、行くよ、竜輝」
 そしてゲームスタート。はっきり言って、俺たちのコンビネーションは完璧に近かった。俺たちはこのゲームは初めてだったんだが、それでもコンビ技は最高でレベル四。最高難度がレベル六だから、これは奇跡と言ってもいい。
 ……いや、違うかな。俺の頭を別の考えがよぎった。普段からアレだけ勘の鋭い珠璃のことだ。俺の動きや何かを察知して、それにあわせた可能性も捨て切れない。実際、成功した難度の高いコンビ技は、俺の入力直後に珠璃が入力するタイプの物ばかりだったしな。
 ゲームが終わってふと振り返ると、戸賀中が槍みたいな視線で珠璃を見ていたように思ったが。

 ……うん、気のせい気のせい。


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