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作品名:「SagaU 神氣学園閑居傳」 作者:ジン 竜珠

第3回 壱之傳 最大さいきょーの決戦ッ!・参
「せっかくだから、勝負しましょうよ、スイーツ勝負!」
 なんか、輝かんばかりの笑顔で、ありすはそんなことをのたまう。
「そうですなあ、それがよろしゅおすなあ」
 と、杏さんも乗り気だ。
「盛り上がってるところ、申し訳ないですけど、根本的に何かを見落としてないですか?」
 俺は、恐る恐る杏さんに言ってみる。俺の言葉で気づいたか、杏さんが「うーん」と唸った。
「そうですなあ。美悠那はんは活動費をお持ちなんどしたなあ」
 そうそう、このスイーツ勝負の敗者はみんなの分の代金を払うことになっている。それにそもそもスイーツ研の会員である美悠那にとって、これはあくまで「同好会活動」なのだ。
「それなら心配ないであります!」
 と、ありすが「ビシッ!」とばかりに敬礼する。どこの新兵だ、お前は?
「みゅうちゃん先輩には別のペナルティを用意すればよいだけの話でありますよ、杏お姉様」
 ありすは、ちらと美悠那を見てから言った。
「もし、みゅうちゃん先輩が負けたら、みゅうちゃん先輩自作の『マイポエム』をみんなに披露してもらうですよ」
「な……ッッッ!!」
 美悠那が一気に赤面する。
「なななななな、なにを言っているのかしらぁ、ありすちゃん!? そほほぉおおおおおんな乙女チィックな趣味は、あっしは持ち合わせてないでござんすよ、お立ち会い!!」
「パニクって日本語、変になってるぞ、美悠那」
 俺が指摘したのも耳に入ってない様子で、美悠那は狼狽しまくっている。
「私、この間、お泊まりした時に見ちゃったです、みゅうちゃん先輩のマイポエム」
「んがっ!?」
 美悠那が固まった。心なしか、魂が抜けかけているようにさえ見える。
「決まりましたなあ。竜輝はんが負けたら代金お支払い、美悠那はんが負けたらポエム披露。異存はありまへんな?」
「異議あり!!」
 俺と美悠那が揃って手を挙げたが、所詮多数決、ていうか、自分に一切「痛み」のない連中は、まったく挙手しない。どこかの国の政府みてえだな、国民にだけ痛みを押しつけて自分(てめえ)たちは、ふんぞり返ってるって。
 あ、零司さんと鷹尋が、こっそり「勘弁な」のジェスチャーしてる。あの二人には、良心の呵責あり。でも、ほかの連中には、そんなのが、一切ないと見た。
 鬼か、あいつら。
 でも、まあ、しゃあないか。
「んで、勝負って、何やるンスか?」
「そうです! 何するんですか!?」
 おおっと。鼻息荒ぇな、美悠那のヤツ。……ああ、それもそうか。俺は懐が痛むだけだが、美悠那の場合、自尊心やら乙女心やら痛みどころ満載だからな。
「それについては、行ってからのお楽しみどす」
 杏さんが微笑む。
 美悠那も、この笑みこそが悪魔の笑みだということを、今日この日この瞬間、心にしっかりと刻み込んだことだろう。


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