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作品名:「SagaU 神氣学園閑居傳」 作者:ジン 竜珠

第28回 参之傳 友、来たる・伍
 翌朝。
 時刻は午前九時頃。家に一本の電話。戸賀中からだった。
「この電話、どうやって?」
 俺の疑問も、もっともと思ってくれるだろう。俺は戸賀中はもちろん、前の学校の教師にさえ、ここの電話番号は知らせていないのだから。
『お姉さんが教えてくれたよ、電話番号』
 と、戸賀中はあっさりと答える。……何考えてんだ、姉貴のヤツ? そういえば、今朝出かける前に「手筈は整えたから、頑張ってね」とか言ってたなあ。このことか? まあ、好都合だ、俺から出向こうとか思ってたからな。
「なあ、戸賀中、昨日は言いそびれたんだが、その、ちょっとお前に話があってさ……」
 俺の声の調子で何事か感じたんだろう、戸賀中は急に元気のない声になって言った。
『……うん、なんとなくそんな感じはしてるんだ、なんとなく、ね』
 そして一呼吸置いて、戸賀中は言った。
『いつも天宮くんの周囲には女の子がいたけど、誰か特定のコと、おつきあいしている感じはなかった。私、なんとなく不思議に思ってたの。だって、天宮くん、女の子たちと距離を置いてる感じしなかったし。でね、おぼろげに思ってたの、もしかしたら、他所の学校に、おつきあいしている女の子がいるんじゃないかなって』
 なんていうか、戸賀中の指摘自体は全然的外れなんだが、どことなく核心の一部をついていなくもない。珠璃といい、なんで、女性ってのは、こう、勘が鋭いんだろう?
『ごめんね、迷惑だったよね、いきなり押しかけたりして』
「あ、いや、なんていうか……」
 予想外の展開に、どう応えていいかわからないでいると、急に明るい声になって戸賀中が言った。
「もし、今日、都合がつけば、でいいんだけど、天宮くんがおつきあいしている女の子に、会わせてくれないかな?」
 どこか吹っ切れたように(……その時は、そう感じたんだ、確かに……)言った戸賀中に、俺は答えていた。
「ああ、いいぜ、準備とかできたら電話するよ」
「……うん」
 戸賀中が、神妙に頷く気配があった。
 ……だから、その時は、そう感じたんだって!

 数分後、こちらからかける前に珠璃から電話があった。
 出かける準備はできてる、ってことだった。

 だから鋭すぎて、恐ェよ、お前。


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