小説&まんが投稿
 ようこそゲストさん トップページへ ご利用方法 Q&A 操作マニュアル パスワードを忘れた
 ■ 目次へ

作品名:「SagaU 神氣学園閑居傳」 作者:ジン 竜珠

第14回 完全なる番外之傳 もう一つの「物語」〜唱う白骨標本〜・弐
「あたし、衣川(きぬがわ)! 衣川 ありさ! 席が隣同士になったのも、何かの縁。これからよろしくね! あ、あたしのことは『ありさ』でいいからね。そのかわり、あたしもあなたのことは『竜希』って、呼ぶから!」
 転校初日、まず一番に話しかけてきたのは、当然のことというか、隣の席の衣川 ありさという、やたら元気な娘(こ)だった。
「よろしく。ところでさ、なんか、この学校って、雰囲気変わってるよね?」
 ジイちゃんの話だと(正確には神条姉妹の美悠ちゃんや珠璃ちゃんの報告を神条の人から聞いた話だと)、ここで邪神の復活を目論んでいたヤツは保健医になりすまし、異様な精神波で、次々に保健室に生徒を集め(ほとんどの生徒は「貧血」を起こしていたらしい)、その生徒から集めた精神エネルギーや生命エネルギーで、四封印の一つを破壊したらしい。
 そのせいだろうか、ここのエネルギー場はひどく不安定で、霊的に敏感でしかも防御手段を持たない者だったら、半日もあれば昏倒するだろう。
「変わってるって? もしかして、百合百合ぃ〜ンなこと?」
 ありさは、いたずらっぽくニヤついてみせる。
「そうじゃなくてね」
 と、あたしも苦笑する。やっぱり、そう見えるか。あたしが前通っていたのも女子高。んで、自分で言うのも何だけど結構凛々しいタイプだからか、毎日たくさんラブレターもらってた。おんなじ娘もいたけど違う娘もいて、もちろん、先輩もいて「いろいろ」教えてもらったりして、それなりに楽しい毎日……。
 じゃなくて!
 今は、そういう話じゃない! エネルギー場のことはさすがに言えないから、それらしくあたしはごまかすことにした。
「なんていうか、気を張ってないと目眩がするっていうか、クラクラしそうっていうか」
「そかな? それって、転校してきたばっかだから、緊張してるだけじゃないの?」
 首を傾げるありさの横から、別の女子が口を挟んできた。
「その娘のいうことも、間違いじゃないと思うぜ、衣川。実際、この一ヶ月だけど、授業中にぶっ倒れて保健室に担ぎ込まれるやつも多いし、私も、ここに来る時には、美悠ちゃんからもらった護符は、肌身離せない」
 ややボーイッシュなショートカットの彼女は、自己紹介では高瀬 紗亜羅(たかせ さあら)。以前、このクラスに転校して来ていた美悠ちゃんとは、かなり親しかったらしい。そして、実際、彼女には、ある種の結界のような力が感じられる。これのおかげで、ここの力場の影響を受けないんだな。
「ま、気をつけるに越したことはない」
 高瀬さんがそう言った直後、チャイムが鳴った。
 一時間目、現国の始まりだ。


← 前の回  次の回 → ■ 目次

■ 小説&まんが投稿屋 トップページ
アクセス: 213