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作品名:「SagaU 神氣学園閑居傳」 作者:ジン 竜珠

第10回 壱之傳 最大さいきょーの決戦ッ!・拾
 次に行ったのは「ブルーウィング」。ここの「マンゴータルト」がターゲットらしい。そして勝負方法は「ガレット・デ・ロワ」。そう、練習としてカレイドスコープでやった、あれだ。
 本当ならまたワンクッション入れたかったんだが、時間的に余裕がないので、そのまま、ヴィヴァーチェから直行だ。
 しかし、杏さんがどこか、ソワソワしている。やっぱりさっきのバックのポテトが効いているらしい。
 よし。このまま、またどこかで予定調和を狂わせれば……。
 なんて思ってるうちに到着。事前に話が通っていたおかげで、行くとすぐに出てきた。
「さて、と。切り分けますえ」
 言いながら、やたらでかいタルトを切り分けていく杏さん。口調は明るいけど、やっっぱりどこかおかしい。さっきまでと違い、無理矢理、楽しそうに振る舞っているような感じがある。
「さ、選んでおくれやす」
 人数分に切り分けたタルトから、俺と美悠那は直感を総動員して選ぶ。ただし選ぶのは四つずつ。同じものを選んでしまったら、ジャンケンで決める。そして選んだものをいったんナイフで切って中身を確かめてから、勝敗を見極め、あとはそれをみんなに分けて食べるって事になっていたらしいんだけど。
 ちょっと風向きが変わってしまった。というのも。
 零司さんは、さすがに甘いものはもういい、ということでアイスコーヒーだけを。
 鷹尋はグレープフルーツジュースを。
 麻雅祢はストロベリーのムースケーキがいいということで、それを注文。
 珠璃はチーズケーキ。
 スイーツキングがかかってるということで、ありすはマンゴータルトを一つだけ。
 ということは、勝負が決まったあとの残りは……。
 俺は、さすがに甘いものに飽きてきているし、美悠那もスイーツキングがかかってるから、そんなに食べられない。ということは。
「つまり、残りは全部、杏さんが食べるんですね?」
 言うまでもないが、普通、喫茶店で注文したものを「お持ち帰り」なんて、できない。かといって、残すのももったいない。
「うう。そうなりますやろなあ」
 顔は笑ってるけど、脂汗がタラタラ流れてるぞ、杏さん。
「え、と。ほぉぉぉぉんの少しでエエのんですが、協力してくれはりませんやろか?」
 勝負は美悠那の勝ちだったが、杏さんにとってはそんなことどうでもいいらしい。
「せっかくですけど、パス」
「あたしもスイーツキングがありますから」
 俺と美悠那にソッコーで断られ、笑顔ながら、「一個三百キロカロリぃぃぃ」などと涙目で呟きつつ、タルトを食べる杏さんが、妙に印象的だった。
 ……なるほど、こういう風に結果がずれたのか。
 勝負には、あまり関係ないズレ方をしたようだ。
 ちょっと残念。


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