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作品名:SagaEX 神氣学園夢遊譚 作者:ジン 竜珠

第2回
 俺が「多分」と断ったのは、どこか雰囲気が違ったからだ。二人とも俺が知る二人に似ているし、着ている服も、微妙な違いはあるものの新輝学園の女子制服に似ている。
「キミは、誰だい?」
 珠璃……に似た少女が首を傾げる。
 なんか、とまどいを覚えるなあ。調子が狂う。
「俺は天宮竜輝だが」
 俺が答えると、美悠那に似た少女が「うーん」と唸る。
「私たちが存じている『アマミヤ リュウキ』は女性ですわよねえ。同姓同名かしら」
「というわけでも、ないようだよ、お姉(ねえ)。少なくとも、彼はただの『人』とは違うようだ」
 なんか、珠璃もどきの視線が怖い。あからさまに俺を不審者扱いしてやがるな。
「まあまあ、珠璃。お互い自己紹介をしてみてはどうかしら? 案外、天宮家のご関係の方かも知れないわよ」
 と、美悠那もどきが、穏やかな笑顔で、珠璃もどきをたしなめる。
「お姉がそういうなら」
 と、珠璃もどきも、渋々といった感じではあったが、引き下がった。

 で、わかったこと。彼女たちは神条(しんじょう)美悠璃(みゅうり)、珠璃という双子の姉妹ということ、二人が通っているのは「新輝女子校」であり、新輝学園ほど大規模ではないこと、二人が言う「アマミヤ リュウキ」は「天宮 竜希」と書き、天宮流神仙道宗家の娘だということ、そして、ついこの間、この学園に眠る邪神の、その配下を倒したこと。
「えーっと、どう解釈するべきかな?」
 と、珠璃が天を仰ぐ。美悠璃が苦笑いを浮かべる。
「普通なら『夢』ですませるところでしょうけれど、お互いの素性が素性ですからねえ」
「そうだな」
 と、俺はある仮定を口にした。
「俺個人は『パラレルワールド』なんてイカレたなものは信じちゃいねえが、どうやら俺たちは、そういうパラレルな関係にあるのかも知れねえな。そもそも、名前が微妙に違うし」
「つまり、ボクたちは異なる可能性世界にありながら、重なり合うこの世界で顔を合わせたってことかい?」
 納得がいってないのか、難しい顔で珠璃が言った。
「そう考えるのが、妥当かしらね」
 と、美悠璃は納得しているようだ。
 なんでこんなことになっちまったのかってのは、ハッキリ言ってわからない。こっちでイザナミを倒した時は、それなりに大きな術を使ったし、神条姉妹も、その配下とやらを倒した時は異次元への「穴」を開けたっていうことだから、その際に二つの世界が繋がったような状態になっちまったのかも知れねえな。
「ま、何にせよ、こっちもそっちも、何にも解決してねえことに変わりはないな」
 俺の言葉に二人が頷いた。俺の方はイザナミを退けたが、結局、根本的な解決にはなってない。神条姉妹の方も倒したのは配下で、邪神そのものをどうにかしたわけじゃない。
「ボクたちは訳あって、ここのことは、しばらくの間、天宮家にバトンタッチすることになるけど、キミの方は引き続き、事態の収拾をしなきゃならないんだよね?」
「まあな。それがもともとの務めだし。むしろ、ブチ当たっていくものがデカイほど、なんていうか、熱くこみ上げてくるものがあるけどな!」
 俺の言葉に、美悠璃が「そういうところはこちらの竜希さんと変わらないわ」と、なんだか嬉しそうに言っていた。


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