小説&まんが投稿
 ようこそゲストさん トップページへ ご利用方法 Q&A 操作マニュアル パスワードを忘れた
 ■ 目次へ

作品名:「Saga T 神氣學園封神傳」 作者:ジン 竜珠

第75回 伍之傳 愛情は、知識とセンスを凌駕するか?・伍
 金曜の夜、珠璃からケータイに連絡があった時、俺は杏さんを招待したこと、そしてちょっとした疑問を口にした。
「放課後、勢いに呑まれて疑問に思わなかったが、肝心の美悠那の都合はいいのか? 美悠那が日曜日に用事が入ってた、なんてオチ、笑うに笑えねえぞ?」
『それなら問題ないよ。もともと日曜日は、美悠ちゃんとありすちゃん、だっけ? 彼女たちは一緒にショッピングに出かけることになってたらしいんだ』
「なるほど、ね」
『時間は午前九時に、学園正門前に集合。ちなみにラウンジがあるのは学園の敷地ではあるけど、学園の中を通らなくても行けるから、もし場所を知ってたら直接行ってもいいよ』
「いや、すまん、よくわからん」
『そう。じゃあ正門前に集合。ちなみに一応、夏期休業いわゆる夏休み以外での使用だから、制服着用のこと。これは守って欲しい。ボクにも立場があるからね』
 立場、とかって言ってるが、こいつがそういう保身に走る奴じゃないのは、俺はよく知ってるぞ。要はアレだ、俺たちが注意されないようにっていう配慮だ。
『それから、もし竜輝も何か作るつもりなら材料持参のこと』
「いや、俺は普通の料理とかなら作ったことあるけど、スイーツは全然ねえから」
 あと二、三、注意事項を聞いて、珠璃から杏さんに連絡を入れるってのを確認してから俺は電話を切った。
 とりあえず、手伝えることがあったら、なんか手伝うか。といっても、スイーツ作りは本当にわかんねえからな、言われるまま行動するだけだが。

 んで、日曜日。快晴。学園正門前に行くと、珠璃とありすがいた。
「杏さんはラウンジの場所を知ってるから直接、向かうそうだよ」
 と言ってから、珠璃は苦笑いを浮かべ、俺に耳打ちした。
「あれから、杏さんに連絡とったら、飛び入りが増えてたから」
「増えた? なんだ、そりゃ?」
「ええっと、まあ、行ったらわかるさ」
 そして案内されるままにラウンジへ向かった。ラウンジは海辺にあるということだったが、俺が思っていたのと少しニュアンスが違ったようだ。学園の敷地の南部に片道二車線の大きな道路が走っている。この道は市の土地だが、この道を渡った先がちょっと開けたところになっていて、学園の所有地になっている。そこにラウンジがあるのだ。そして遊歩道っぽい道(といっても結構広くて、乗り入れ禁止になってなければ余裕で普通車が離合できそうだ)を挟んで海水浴場になっている。この遊歩道の部分から南は国の土地で、その先に更衣室だの休憩所だのといった海水浴場としての施設がある。
 しかしなあ。一応、遊歩道で仕切られているとはいえ、段差があるわけでもなく地続きだ。だからこの浜辺が学園のプライベートビーチだっていわれても、まったく違和感がない。
 ちなみにこのラウンジとかいう建物はやたら大きくて、何を考えたか三階建て。更衣室やらシャワー室やら仮眠室やらが完備してある。ますますプライベートビーチ化しているような気がするのだが、どうか?
 そしてラウンジに到着すると、すでに杏さんたちが来ていた。一緒にいるのは佐久田 鷹尋と橘 麻雅祢だ。
「零司はんは、どうしても都合がつきまへんでな。残念やわあ」
 持参した扇子を開いて口元を隠し、本当に残念そうに杏さんは言う。零司さん以外、天宮の関係者(生徒)勢揃い。……好意的に解釈すれば「楽しいことは、みんなで共有しよう」ってことなんだろうが。
「おおおぅ、鷹ちゃん、今日はよろしくです!」
 ありすが手を振り、鷹尋にハイタッチを求める。
 当事者の片方であるありすが、迷惑に思ってなきゃ、それでいいか。賑やかなのは別に悪いことじゃないからな。


← 前の回  次の回 → ■ 目次

■ 小説&まんが投稿屋 トップページ
アクセス: 127