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作品名:「Saga T 神氣學園封神傳」 作者:ジン 竜珠

第72回 伍之傳 愛情は、知識とセンスを凌駕するか?・弐
「というわけで、今度の日曜日、スイーツパーティーを開くです〜!」
 妙にハイなノリのありすに、珠璃も言った。
「そうだね、場所はどこがいいかな?」
「海辺のラウンジなんか、どですか?」
「ああ、いいねえ。今はシーズンオフだから、どこからも使用申請が出されてないし、水道は栓を開けるだけ、ガスじゃなく電磁調理器だからブレーカーを操作するだけでいいし」
 なんか、変な方向に話が転がってやがんな。
「ちょっと待て。そのラウンジとかって、学校の施設か?」
「みたいなものだけど、それがどうかしたかい?」
「話聞いてると、学校の施設を勝手に使うように聞こえるんだが?」
 そのラウンジとやらは、初めて聞くんだが、大丈夫なのか?
「ああ、それなら心配ない。ラウンジは正確には、自治局の管轄になるんだ。だから、自治局に申請を出して通れば、オッケーなのさ」
「……悪い、この学園ってほかの学校と、かなり違うシステムだよな。なんなんだ、その『自治局』って?」
 そういえば、シャングリラにそんなものがあったような気がする。
「それを詳しく説明すると、ちょっと長くなる。だから簡単に、生徒会からも学生会からも独立した組織で、ある程度、学園からも自由な裁量を任されている組織、とだけ言っておくよ。あ、ちなみに自治局を運営しているのは主に学園OBの大学生さんたちだ」
「……」
 開いた口がふさがらないとは、このことだ。なんなんだ、そのアナーキーな学園構成図は? もしそれが本当なら、この学園は、学園当局(あえて、こう呼ぶ)、生徒会、学生会、そして自治局の四つの別ベクトルが存在することになる。で、これまでの話から想像すると、力関係は、学園当局>自治局>生徒会=学生会ってところか?
 ……どこの戦記小説だ、これ?
「竜輝、その表情から見るに、キミは何か相当な勘違いをしてると思うんだけど。でも、まあ、とりあえず自治局については今度詳しく話してあげるよ。それとも、今夜、二人きりで、ゆっくりと説明してあげようか?」
「また、今度にしとく」
 俺は妙に艶っぽい笑みを浮かべている珠璃に、返事を返す。
「それじゃあ、早速行くデスよ!」
 と、本当に元気よくありすが言うと、「そうだね」と、珠璃が頷く。そして。
「竜輝は来ないのかい?」
「俺はいいや。ていうか、なんで、俺まで行く必要が……」
「来るんだろ、美悠ちゃんを励ますスイーツパーティー?」
「……それは、決定事項なのか?」
「イケメン先輩は、デフォですよ!」
「だから、俺の名前は天宮竜輝だから。……って、選択肢なんか出なかったが?」
 でも、まあいいか。越田さんの件は、俺の立ち回り方がうまければ、あんな事態にはならなかったはずだ。美悠那に対する詫び、なんて偽善めいたことをするつもりはさらさらないが、彼女を元気づけたい気持ちに変わりないからな。
「わかった、参加するよ。でも、今日はちょっと用事があるんだ。時間とか決まったら連絡してくれ」
 俺がそう言うと、珠璃が「わかった」と笑顔を返した。


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