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作品名:「Saga T 神氣學園封神傳」 作者:ジン 竜珠

第53回 参之傳 君よ、星を掴め・拾伍
「おーおー。派手にやらかしたなあ」
 不意に若い男の声がした。声のした方を見ると、そこにいたのは黒の上下を着た男。身長は俺と同じぐらい、年齢は二十代後半だろうか。髪はクセ毛なのかザンバラで、一見アウトローのような印象を受けるが、こいつはそういう輩ではない。まとっている空気でわかる。「冥神(みょうじん)」の人間だ。
「とりあえず警備員だとかセキュリティは『眠らせて』おいたけどよ」
 やべ、注意してなかったな、そこらへん。
「おいおい、今気づきましたって顔してんじゃねえよ」
 と、男は苦笑する。
「とにかく、派手にやらかしてくれたな、後始末する方の身にもなってくれよ」
「後始末って、あんたらが、直すのか?」
「まさか。それはさすがにプロに任せねえと。俺たちがするのは一日か二日、臨時休校にして人を寄せ付けねえように手配するか、人払いの結界を応用したフィールドを張りまくって、破損箇所に注意が向かねえようにするだけだ。だが、これだけやってっと、臨時休校しか手はねえな」
 壊れたところを見ながら、どこか面白そうに男は言う。
「まあ、あれだな、宗師の令孫っていうから、どんなお坊ちゃんかと思ってたんだけど、結構、やるじゃねえか」
 男の言葉にはイヤミというものがない。素直に受け取ってもいいタイプの言葉だ。
「どうやら、お前とは気が合いそうだな。俺の名前は五十村 蛍矢(いそむら けいや)。一応『冥神』のカシラなんぞをやっている」
「……え? それって、一番偉いってことか?」
 俺の言葉に、五十村と名乗った男は苦笑いで頭を掻く。
「まあ、いろいろあるんだよな、これが。じゃあ、そういうことでこのガキは、預かっていくぜ」
 と、軽々と越田さんを肩に担ぐ。
「越田さんは、無事に『こっち側』に帰って来られるのか?」
「……さあな。よくわからねえ」
 それだけ言うと、五十村さんは、風に巻かれて姿を消した。


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