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作品名:「Saga T 神氣學園封神傳」 作者:ジン 竜珠

第36回 番外之傳 爆弾魔は独り嗤う・肆
 この学園は、研究棟の一階に警備室がある。提携している警備会社(多分、ミハシラの系列会社だろうな)の人が常駐しているなんてレベルじゃなく、システムもごっついのが構築してあるらしい。詳しくは知らないが、ここで異常を感知したら、三十分以内に一個小隊が駆けつけることになっているらしい。
 それは眉唾だが、なんにせよしっかりとしたセキュリティがあるのには違いない。
 というわけで、夜間、学園に入るために理事長を通じて、話を通しておいてもらった。
「なあ、珠璃、こんなしっかりしたセキュリティなんだからさ、誰かが侵入するなんて、不可能じゃねえのか?」
 俺は、本校舎一階の談話室で珠璃と一緒に事態に備えていた。
「そうとも言えないよ。確かに物理的手段に対しては、ここは要塞並みと言ってもいいかな、よくわからないけどさ。でもね、霊的手段に対しては、ここは恐ろしく穴だらけなんだ」
「なんだ、そりゃ? 仮にも天宮と縁のある学園だろ? それがなんで、そんなことに?」
「多分、ここの妙な力場のせいなんじゃないかな? ボクは直接は知らないけど、過去に霊的警護や結界を設置したことがあったらしい。しかし……」
 と、ここで珠璃は、わざわざ一呼吸おく。
「なんか、あったのか?」
「そのことごとくが、キャンセルもしくは相殺されるらしい。あくまで、伝聞だけどね」
 霊的防御が無効になるっていうのは、穏やかじゃない。でも。
「その割りには、ここは『平穏であること』が約束されてるんだよな」
「もしかしたら、霊的防御が無効化されるのは、その代償かも知れないね」
 本当に、よくわからない土地だ。

 午後九時。
 持参した本だのゲームだのに興じていた俺たちだが。
「……珠璃」
「うん。来たね」
 頷きあって、廊下に出た俺たちは、気配のする方を見た。実習棟の屋上にゆらゆらと揺れる影がある。
「七十七不思議にあったっけ。でも、あれは『実習棟の屋上ばばあ』だったよな?」
「目撃者の主観で、いくらでもかわるさ。ただ、あそこにいるのは、多分……」
 と、珠璃は少し考えてから言った。
「こういう表現は適切ではないけど、爆弾魔、ってところかな?」


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