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作品名:「Saga T 神氣學園封神傳」 作者:ジン 竜珠

第22回 弐之傳 疾走する頭脳・参
「俺も詳しくは知らされてないんですよ。要するに『自分自身の手で真実を掴み取れ』っていうのが爺さんの肚(はら)づもりなんで」
 俺の言葉に、石動さんも凉さんも納得したように頷く。
「なるほど。宗師なら、そんなお考えであっても、おかしくないな」
 と凉さんが言えば、石動さんも、
「宗師らしいわ」
 と、同意する。爺さんの「人となり」がどういうものであるか、よくわかる。プロファイリングには苦労しねえな。
「まあ、そういうことなら、心おきなく話させてもらうかな」
 と、凉さんが話し始めた。
「珠璃から少しでも話を聞いてるんじゃないか、って思うけど、去年、外部の呪術師たちがここで儀式を行おうとしていたっていうのは、知ってるね?」
「ええ」
「その事件そのものは、解決。ただ、そんな風に『狙われている』っていうのを前提にして、話を聞いて欲しいんだ」
 凉さんの後を、石動さんが続ける。
「この一月から二月にかけて、のことなんだけど、学園内でちょっと妙な『力場の揺らぎ』が、何度かあったの」
「力場の揺らぎ?」
「ええ。ただ、それが具体的にどんなものなのか、その『源』がどこだったのか、はっきりとはわからない。表面的には、なんの異状もないし、学園の教師にも生徒にも、関係者には何の影響もない。でも、自然には絶対に有り得ない『揺らぎ』だったわ」
 一息おいて、石動さんは俺を真っ直ぐ見た。
「それと同時期、『外部』で暗躍する呪術師を、この土地の護衛に当たっていた天宮の方(かた)が捕捉。残念ながら、その呪術師が『揺らぎ』を引き起こしたわけではなかったけど、その『揺らぎ』を利用しようとしていたことが判明したわ。どうやら、その『揺らぎ』のエネルギーは外部へと流れ、特定の場所で顕在化するらしい」
「そして、顕在化する時には、そのエネルギーは妖魔や魔物なんかの召喚に、最適な『気』に化けるらしい、迷惑なことにな」
 凉さんが、チョコクッキーをかじりながら言う。言ってる内容と行動とのギャップがえらいことになってるが、そんなことはどうでもいい。
「ええっと」
 と、俺は内容を整理した。
「つまり、あれですか、この学園っていうか、土地で起こる『力場の揺らぎ』のせいで、こことは別の場所で妖魔が召喚されたりする可能性がある、と」
「頭の回転が速くて、助かるよ」
 と言って、凉さんが紅茶をすする。
 いや、普通、見当つくから、そのぐらい。
「早速このことを、宗家にご報告したわ。そうしたら、土地の護衛に当たっている組織そのものが正式に動くことになったばかりか、宗家の最終兵器たる、あなたがここに送り込まれてきた」
「その、『最終兵器』っていうの、やめてもらえませんかね?」
 さりげなく石動さんに言ってみるが、聞いていない感じだった。それよりも、ちょっと気になる言葉がある。
「土地の護衛に当たっている組織そのもの、って、何スか、それ?」
 石動さんは、凉さんだけじゃなく姉貴の顔も見た。凉さんは肩をすくめつつ頷き、姉貴はしっかりと頷いた。
 それに応えるように頷くと、石動さんは咳払いをしてから言った。
「これは天宮の者でも、ごく限られた人しか知らないことなんだけど、天宮の『影』にいて極秘裏に行動する組織があるの。名前は『冥神(みょうじん)』。私も凉も、そして胡桃(くるみ)……あなたのお姉さんも、その一員」
 ……どうリアクションをとっていいんだか、まったくわからないんだが?


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