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作品名:「Saga T 神氣學園封神傳」 作者:ジン 竜珠

第13回 壱之傳 白骨は美少女の夢を見る・拾
 リストを見ながら、俺は言った。
「結構、似たのとかがあるな。例えば四と三十八、十八と四十七って、同じものじゃねえのか? あと十三は自販機の故障だろうし、二十三なんて、ただの嫌がらせだろ? 六十一にいたっては、野郎のリビドーの垂れ流しにしか思えねえけどな」
 溜息混じりの俺の発言に頷きながら、珠璃は答える。
「ボクも、そう思わないでもないところもある。さっきも言ったけど新聞部と手分けをしてるからね、彼らが調査したところは多分に誇張されたところがないとはいえない。ただ」
 なるほど、と俺はその先を読んだ。
「生徒会、ていうか、お前が調べた分については、その信憑性は高いってことか」
「さすがは宗家の最終兵器。察しがいいね」
「その最終兵器っていうのは、やめてくれ。大体、誰が言ってるんだよ、そのキャッチコピーは?」
「宗師だけど?」
「……は?」
「一族の会議とか、何かの集まりがある折には、宗師自らが、キミのことをそう紹介してらっしゃるそうだよ」
 何考えてるんだ、あのジジイは?
「まあ、それは脇にどけておいて。詳しい内容はそのレポートを読んでくれればわかると思う。ところで、話は変わるけど」
 と、珠璃は真剣な表情になった。
「キミはこの学園、どう『視る』?」
 俺は少し考えた。感じ取ったことを整理するためだ。鷹尋と回った時より、さらに詳しくわかったこともあるしな。
「学園全体の『気』や『力場』が、自然に見せかけた『不自然な調律状態』にあるな。あと、詳しくはまだわからねえが、ある程度の周期性っていうか、法則みたいなものがあって、微妙に変化しているみたいだ。それともう一つ。直接『伺った』わけじゃねえから何を意味するのか、現時点ではわからねえが、この辺りの土地神さんがここの学園一帯の土地については無視を決め込んでるフシがある。それに関連して、ここの敷地には、土地神さんの影響が全く感じられない」
 俺は一呼吸置いて、確信とともに言った。
「言い換えれば、この学園は土地神さんの加護を受けていない。にも拘わらず、ここには災難の類いが起こらないことが『約束』されているフシがある」
 珠璃が目を細め、満足げな笑みを浮かべた。
「さすがだね。ボクが一年かけて掴んだことを、たった数日で掴むなんて。確かに、ここの力場は、ちょっと妙な状態にある。誰かが意図的に調律した形跡はないのに、調律されている。この学園で起きている怪異や妖異が、そのせいなのか、あるいはそれら怪異妖異のせいで、力場がそうなってしまったのか。そこまではわからないけど。ねえ、この件に関して宗師は何か仰ってなかったかい?」
 珠璃の問いに、俺は首を横に振る。
「あの爺さんが教えてくれるわけねえだろ? 『自分で掴み取れ』が信条なんだぜ? 何が起きているのか、俺自身の手で掴んで解決しろってのが、あの爺さんの肚(はら)づもりなのさ」
「宗師らしいね」
 そう言って珠璃は笑う。
「さて。それじゃあ、当面俺がすることは、七十七不思議を潰していくことか?」
「基本はね。それで理事長に対するポーズにもなると思う」
「含みのある言い方だな、それ」
 意味ありげな発言に思わず眉をひそめると、珠璃は、これまた意味深なことを言った。
「ボクは、君が言うところの『あの男』を信用してないよ」
「随分と大胆な発言だな。なんか掴んでるのか?」
「いや。女の勘ってやつさ」
 口元に、軽く笑みを浮かべながら珠璃は答えた。
 普通なら、「そんなことぐらいで」って一蹴するべき言葉だが、コイツに関しては、あながち無視もできない。珠璃の直観力の鋭さは、一族の間でも有名なのだ。父さんなんぞ「珠璃ちゃんを嫁にもらったら、絶対隠し事はできないから覚悟しておけよ」なんて、よくわからないことを三年ぐらい前に言っていた。その時は「勝手に『結婚させよう』って決めてやがるな」ぐらいにしか思わなかったんだが。あとでわかった話、当時、父さんは宝くじで高額当選したらしい。それを黙っていたのだが、さりげない言動から、珠璃に見破られてしまったらしいのだ。
 まあ、そんな卑俗な例はおいといても、確かに珠璃は鋭い。そんな奴が言うのだから、俺も「あの男」については、少し警戒しておいた方がいいかも知れない。


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