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作品名:「Saga T 神氣學園封神傳」 作者:ジン 竜珠

第11回 壱之傳 白骨は美少女の夢を見る・捌
「じゃあ、あたし、こっちだから」
 正面玄関を入ると、そう言って、美悠那は向かって左側、南側にある学生会の方に行った。
 俺は礼を言って正面にある事務室の横の案内板を見た。
 この建物は大きく三つの棟で構成されている。東側にあるのが生徒会、南側にあるのが学生会で、ともに二階建て。中央にあるのが自治局(とかいう組織)で、三階建て。一階が事務室、二階が文化系部活を統括する文化局、体育会系部活を統括する体育局、三階が自治局本部。
「なんか、企業みてえなとこだな、ここ」
 普通、高校には、こんなに細分化された組織とか、聞いたことない組織なんかないんじゃないだろうか。少なくとも、前の学校にはなかったな。まあ、前の学校が公立だったってこともあるのかも知れないけどな。
 とりあえず俺は、案内の矢印に従って、生徒会側の階段を上がって、二階にある生徒会本部に向かった。
 そして、ドアをノックする。
「」どうぞ」
 と、中から、女性のハスキーな声で返事があった。
「失礼します」
 聞き覚えのある声だ、とか思いながらも、一応、挨拶してドアを開ける。部屋はかなり広く、普通の教室ぐらいありそうだ。
「やあ、新輝学園生徒会本部に、ようこそ」
「んが! ……お前まで、いやがるのか、鬼城 珠璃(きじょう じゅり)……」
 そこにいたのは、天宮の分家の一つ・鬼城家の一人娘・鬼城珠璃だった。俺と同学年で、身長は確か百六十八センチぐらいだったか。スリーサイズの詳細は知らねえが、かなりのナイスバディだ。今はショートカット(といっても、左目を隠すようなヘアスタイルだけどな)にしているが、前見た時はセミロングだったな。メガネをかけているが、度はあまり高くないらしい。どっちかっていうと「かっこいい」顔立ちで、いつも余裕ぶっこいたような笑みを浮かべている。
「まあね。ちなみにボク、ここの生徒会長だから」
「……冗談だろ?」
「ホントだよ? こんなウソついたって、意味ないし」
「……」
「正確には副会長だったんだけど、今年の四月に会長が海外留学に行っちゃってね。繰り上がってボクが会長になったってわけさ」
「……世も末だな。お前が会長ってことで、ここの生徒に同情を禁じ得ないぜ。おかしな行事とか、画策してるんじゃねえだろうな?」
「久しぶりに逢ったのに、随分失礼なことを言うんだね、キミは。これでも人望は厚いんだよ? まあ、いいさ。ところで、そろそろボクの軍門に降ってくれないかな? 美少年と美少女でハーレム作って、そこに君臨するのがボクの夢だって、知ってるだろ?」
「うるせえよ。お前こそ、その男女見境ない本能の手綱、しっかり握っとけ」
 そうなのだ。コイツは、「そういう性癖」の持ち主なのだ。しかも男女双方から、えらくモテるときているから、始末に負えない。俺は実際に見た訳じゃないが、本当にハーレム紛いのものを中三の時に作っちまったらしい。その時は、実際はサークルのような遊び程度のものだったらしいが、今なら、本気でハーレムを作りかねない。ご両親はすでに鬼籍に入っておられるが、さぞや複雑な心境ではないだろうか。
「とりあえず、本題に入ろうか、竜輝」
 軽口の叩き合いを適当に切り上げ、珠璃はレポート用紙の束を机の上に置いた。
「時間かかりそうか?」
 俺は菓子パンの袋を開けながら、聞いた。
「ああ、午後の授業の心配かい? それなら問題ない。午後の講義の休講届けが提出されている。ボクの分とキミの分と」
「……はあ? 出した覚えねえぞ、そんなの!?」
 俺は全身のオーラにクエスチョンマークをはり付けて、珠璃を見た。
「ああ、キミが出したんじゃない。理事長が出したんだ。……聞いてなかったかい?」
「……聞いてねえ。ていうか、なんなんだ、そりゃ?」
「さあ」
 と、苦笑いを浮かべて珠璃は肩をすくめた。
「とっとと、解決して欲しいんじゃないかな、この学園の『闇』を。余裕かましているように見えるけど、本当は結構神経質なところがあるんじゃないかな、理事長って? あるいは、早く事態の収拾をつけて、天宮の『監視』を逃れたい、とか」
 この珠璃って女は、実は結構鋭いところがある。案外、当たってるかもな、こいつの推理。
「まったく、何考えてるんだろうな、あの男は」
「おや? もう『あの男』呼ばわりかい、理事長のこと?」
 クスリと珠璃は笑う。
「朝早く生徒のケータイにメール出して生徒会に行け、とか、本人に了承とらずに休講届けを出すような奴なんざ、『あの男』で十分だ」
 俺はチョコクリームパンをパクつきながら言った。


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