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作品名:神氣學園滅神傳Reboot 作者:ジン 竜珠

第6回 序之傳 黄泉津御柱・伍
「徹禅宗師に内密の話とは、何であるか、磐坂さん」
 封印の儀を執り行った翌日の夜、別津五大高弟が集合していた。場所は磐坂 千三郎(いわさか せんざぶろう)が住む屋敷の離れ。
「式神で連絡をして、失礼した。実は、皆に頼みがある」
 千三郎は一同を見渡す。
「あの御柱には黄泉津大神、いや、伊弉冉大神がお眠りになっている。その眠りを覚まし、現世(うつしよ)にお出まし願うのだ」
「なっ……!?」
 四人は思わず息を呑み、千三郎を見る。
「正気か、磐坂!!」
「アレは『死』の象徴なのだぞ!!」
 皆、口々に否定の言葉を投げかけるが、千三郎は意に介さない。
 一通り、反論を聞いた後、おもむろに千三郎は言った。
「今の世は伊弉諾尊、御一柱で産み給うた不完全なる世界。それは伊弉諾尊ご自神が、誰よりも痛切に感じておられること。それが故、人の世に哀しみは絶えぬのだ」
 そんなことを口にする千三郎の体から、微かに黒い霧のようなものが染み出していることに気付いた者がいたであろうか?
「人の世を全き世にするためには、今ひとたび、諾冉二尊に国産みをしていただかねばならぬ。そのために、力を貸してくれぃ!」
 そして、磐坂は土下座をする。その時には黒い霧は他の四人を完全に包み込んでいた。
「うむ、磐坂さんの言うことももっともだ。人の世を全きものにすることが叶うのなら、神仙道を奉ずる者として、これほど嬉しいことはない」
 こんなことを言ったのは、桃源であったか。
「そのために必要なものは、なんであるか、調べる必要があるな」
 そう言ったのは栂だ。
「徹禅宗師には内密で行動せねばならぬ故、少々、難儀ではあるが、やるべき価値はある」
 そう言ったのは宮代であった。
「そう、これは神勅なのだ、伊弉諾尊の!」
 高揚した調子で断言したのは千代澤だった。
「みんな……。かたじけない」
 目頭を押さえ磐坂は頷く。
 だが、その時には黒い霧は一同を完全に呑み込んでいた……。


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