小説&まんが投稿
 ようこそゲストさん トップページへ ご利用方法 Q&A 操作マニュアル パスワードを忘れた
 ■ 目次へ

作品名:神氣學園滅神傳Reboot 作者:ジン 竜珠

第32回 番外之傳 アイランド、ゴー! GO!・伍
 三日目。
 行事予定表では朝から、いくつかの講習の中に「サバイバル講習」ってのがあるということだった。なんとなく興味を覚えた俺と優流は「受けてみようか」って話になり、とりあえず、どんなものか聞きに、珠璃のところに行った。
 珠璃の話だと。
「こういう行事関係は、自治局が管轄しているところもあるからね。ボクも内容を全部、把握してるわけじゃないんだよ。でも、去年の資料なんかを見る限り、だけど、キャンプに必要な知識とか、ボーイスカウトの技術とか、そんな感じみたいだよ」
「そうか、それは面白そうだな」
 俺がそう言うと、優流も「そうだな」と頷いている。自治局のコテージまで行き、俺たちは講習に申し込んだ。
 午前十時から始まるということだった。

 そして、時間。場所は沿岸のちょっとした林の中。俺たち以外にも結構集まっている。七対三ぐらいの割合で男子の方が多くて、四十人近くいるだろうか。
 講師は自治局の久(く)野(の)さんっていう男の人だ。この自治局には、学園の生徒も何人かはいるが、中心となって運営しているのは、学園OBの大学生さん方だ。他の大学の人も何人か含まれているらしいが、この自治局自体が「企業経営のシミュレーション」のための機関なんだそうで、そういう関係から新輝学園卒業者を優先的に選抜しているらしい。
 ますますこの高校が、一企業の私物となっているような気がするんだが、まあ、いいんだろう。
 久野さんは、肌こそ浅黒く灼けているけど、黒縁の眼鏡とかほっそり(といっても、痩せているんじゃなくて、どちらかというと「引き絞られている」感じ)しているところとか、なんとなく「文化畑」の人のように感じる。
「ええ〜、それでは講習を始めます。去年はね、もう少し『深い内容』がやりたかった、っていう感想が多かったんでね、今年はちょっとツッコんだ内容にしました」
 ……? え? 去年のオーダーに応えて、今年の内容を変えた? あるのか? っていうより、やっちゃっていいのか、そんなこと? そもそも、俺たちとは関係のない次元で起きたことだよね、それ? 本来なら、去年、講習受けた人にとる対応だよね、そういうのって?
 一抹の不安はあったが、それをよそに講習は始まっていった。
「それじゃあ、前提として、この島に漂着した、ということで話を進めます。で、まずは救難信号。そういうキットがあれば、それを使います。もしそれがない場合は」
 と、用意しておいたらしい金属板を手にとる。縦五十センチ、横五十センチぐらいだろうか。ホームセンターで手に入りそうだ。
「こういう金属板があったら、これを使います。大きくて、さらに表面が磨かれていれば、いうことはないです。これを持って、浜辺に出て、太陽光を反射させます。もしね、金属切断用の刃物があれば、それで中央に十字状の傷をつけ、そこを開いて、光を反射させつつ、船や航空機がないか、その穴から確認しながら、光を反射させることが出来るので、効率よくこちらの位置を知らせることが出来ます」
 金属板を置くと、久野さんは持参したレジュメの束を両端の生徒に渡す。一人ずつ取って、流せ、ということなのだろう。
 それを開いて思わず、俺は呻いた。
 それに構わず、久野さんは講習を続ける。
「金属板がなくても、砂浜とか、開(ひら)けた場所にこういう『地(ち)対(たい)空(くう)標(ひよう)識(しき)』を書いたり設置することで、外部に自分たちの状況を知らせることが出来ます」
 レジュメには「F」みたいな文字があって、その解説として「食料や飲料水の補給を願う」とか、「△」が書いてあって解説に「付近に着陸可能な場所あり」ってあったり。
 俺は優流を見て言った。
「俺が思ってた講習とは、違うんだが?」
 同じく、げんなりした表情で優流も頷いた。


← 前の回  次の回 → ■ 目次

■ 小説&まんが投稿屋 トップページ
アクセス: 31