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作品名:神氣學園滅神傳Reboot 作者:ジン 竜珠

第28回 番外之傳 アイランド、ゴー! GO!・壱
 九月の末に近づくと、新輝学園二年生には「修学旅行」というイベントがある。三泊四日で、行く先はなんと、学園が所有する、南方の離島だ。正式名称は「沖(おき)津(つ)恵(えみ)島(しま)」とかいうらしいんだが、双子のように山があって、その様子が双子の島があるように見えるところから、「双(ふた)児(ご)島(じま)」の名前で通っているらしい。一応、日本の領土なんだが、感覚的には、もう海外といっても差し支えない。植物の植生なんか、完全に日本じゃないしな。この分だと南方特有の生態系とか風土病とかが心配になるが、そのあたりはちゃんと「人の手」が入っていて、問題はない。ある程度、開発されているが、それは、将来的にこの島の一部を「ミハシラ」がリゾート地として売り出す計画があるからだそうで、早くも国外に拠点を置く有名なアミューズメント・カンパニーが、提携の話を持ちかけてきているらしい。
 ちなみに、この修学旅行は「自由参加」で、つまり参加したくなければ参加しなくてもいいらしい。参加しない連中は、この期間中、学園で特別補講を受けることも出来るし、家庭学習してもいいらしい。
 まあ、「修学」とはいってもこんな離島に送り込まれたんじゃ、何もすることがないしな。
 ……とかって思っていたら。
「そんなことないわよ」
 と、あっさり美悠璃が言った。
「全員参加じゃないけど、サバイバル訓練とか、半日かけてディベートの実習とか、この島をリゾートにするためのアイディアを議論したり、とか。もちろん、自由にこの島を散策するのもアリだし、まだ十分泳げる気候だから、海水浴したっていいし。いかにこの三泊四日を実り多いものに出来るか、普段の生活では出来ないようなテーマに取り組んで充実したものにできるか、っていうのが、コンセプトらしいわ」
「ホンットーに、アナーキーなんだな、この学園」
「それに、ここでの成果をレポートにして認められたら、三年の時の特別実習の単位が、今の時点でもらえるらしいし。噂だけどね」
「……大丈夫か、この高校? 完全に『ミハシラ』社員の養成機関になってんぞ?」
 何年かしたら、学校法人としての認可が取り消されるような気がしてならない。
 俺は「快晴」なんて言葉じゃ、とても足りないような空を見上げて、思わずため息をついた。

 まあ、大体のところの見当はつく。こんな離島に送り込まれてるってことは、言い換えれば「海に閉じ込められている」も同然であって、自然と全体生活だの、規律ある行動だのを守らざるを得ない。ハメを外す、なんて、不可能事だ。ここまでお膳立てされていると、何となく、こんなことを呟かざるを得ない。
「起きねえだろうな、殺人事件とか」
 推理小説とか、その手の漫画じゃ、まず間違いなく、初日の夜までには一人、二人、死んでもおかしくないシチュエーションだ。
 ここに到着して、全体オリエンテーションが終わったあと、俺はそんなことを呟いたが、それを耳ざとく聞いた奴がいる。
「殺人事件!? そうね、そういうシチュね」
 声のした方を見ると、そこにいたのは同じクラスの古(ふる)澤(さわ)瑤(よう)子(こ)だった。そういやあ、こいつ、確か「ミステリ研究会」いわゆるミス研所属だったっけ。
「そうとなったら、……うん!」
 何が「うん」なのか、サッパリわからないが、とりあえず俺は、自分たちの班が宛(あて)がわれたコテージに向かった。


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